通常の授業も取捨選択していい

また、通常の授業も必ずしも受講する必要はない。大手進学塾の6年生の秋(9月〜11月)の授業は、これまで塾で学習してきたことを演習問題で応用していく授業になる。カリキュラムとしては「比と割合」「平面図形・立体図形」などの名称が付いているが、その範囲は非常に広い。

例えば「比と割合」の授業では、比を扱う図形の問題や、割合の概念を利用した速さの問題などいろいろな問題をまんべんなく解かせる。しかし、実際の入試では各学校で出題される問題傾向はまちまちだ。「比と割合」は中学受験の算数入試では定番問題ではあるが、問題のレベルや求められる力はそれぞれ違うため、全ての問題を網羅しておく必要はない。つまり、ここでも取捨選択が可能なのだ。

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12月になっても基礎力が付いていない子は家庭学習を徹底

12月に入ると、通常授業は「入試直前総合演習」と題し、ひたすら演習問題を解かせる。それまでにある程度弱点を埋められてきた子は、この演習でアウトプットを強化していくことで、得点力を上げていくことが多い。そういう子にとっては、この授業は非常に効果が高い。だが、この時点に及んでも基礎力がまだ付いていない子にとっては、まったくお手上げだろう。そういう子は、塾の授業から一旦離れて、家庭で基礎力を付ける学習を徹底した方が賢明だ。

例えば現時点で基礎力がまったく付いていないのに、四谷偏差値45〜50あたりの学校を志望校とする場合、四谷大塚なら「四科のまとめ・算数」、早稲田アカデミーなら「バックアップテキスト」といったテキストをまる1冊完成させることを勧める。塾の授業から離れることを不安に思うかもしれないが、基礎知識が入っていないのに問題を解こうとしても解けないのは当然のこと。そこで自信をなくすくらいなら、今できることをコツコツと進めていくべきだ。