子育てに不安を感じる時はどうすればいいか。家庭教育コンサルタントの岩田かおりさんは「多くの母親が、夫やパートナーとの関係に悩みを抱えている。中には『家でまったく口をきかない』という人もいるが、この沼から抜け出すには向き合って話をするしかない」という――。(第2回/全2回)

※本稿は、岩田かおり『自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

自宅の床に座っている悲しい母子
写真=iStock.com/kieferpix
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不安やあせりの原因は「沼」

「この子、電車ばかりに夢中になっているけれど大丈夫?」「言葉がちょっと遅くない……?」などと言われて、不安になることはないでしょうか。

先生に言われたから、ママ友はこう言っているから、ネットでこんなふうに書いているから……などと、外の情報にいちいち反応していては、いつまで経っても不安が消えません。

不安の渦中にいると、「こうせねばならない」という感情が強くなって子どもを管理するようになります。あるいは、子どもの言動を見ないふりをして、自分の心をざわつかせないようにしているケースもあります。

こういったコンディションでは、子どもを戦略的にほったらかすことはできません。

では、なぜ親は不安やあせりにのみこまれてしまうのでしょう?

それは、「沼」にはまっているからです。そして、沼にはまってしまうのは自分の中にある真の価値観を明確にできていないことが原因です。

「子ども」「他人」「自分」が敵になる

「沼って何?」と戸惑った人も多いでしょう。

知らぬ間に自分がとらわれている恨みや思い込み、混乱のことを私は「沼」と表現しています。

沼にはまっていない人は軽やかに生きていて、子育てに深く悩むことがほとんどありません。傷ついたり悩んだりすることはありますが、そこまで時間を要さずに抜け出すことができます。

私の今までの経験から断言できるのは、現代のお母さんは、恨みや思い込み、混乱の沼にはまっている人がほとんどです。

そして、7000人以上のお母さんたちに話を聞いてきた中で、沼には7つのタイプがあることがわかってきました。

7つの沼について、それぞれ詳しく説明していきます。

沼のうち、①〜③は「自分VS子ども」、④、⑤は「自分VS他人」、⑥、⑦は「自分VS自分」の間に起こる問題になります。