「お母さんのせい」と思い始める

とくによくあるのが、ピアノなどの楽器演奏系の習いごとでの親子間の衝突。あるいは、そろばんなどの計算系の塾も同様です。どちらも家で練習しないとうまくならないので、いつの間にか親が自分ごと化してしまい、子どもに練習させようとします。

ピアノを弾く日本人の女の子
写真=iStock.com/ziggy_mars
※写真はイメージです

習いごとでも宿題でも、子どもが取り組むものではなく親のタスクになってしまうと、子どもは自責ではなく他責で捉えていきます。

つまり、「自分がやりたくて習っている」「自分が練習したいから練習する」という気持ちを失い、「お母さんが言ってくれないから、宿題忘れたじゃん!」などと親のせいにするようになるのです。

ちなみに、水泳など、その場に行けばOKの習いごとは、このような衝突が起こらないのでおすすめです。

自分らしさに蓋をしてしまう母親たち

【自分VS他人】

沼④他者評価

他者からの評価が気になって自分の意見が言えなかったり、自分の感情に気づかないふりをしていたりする人が陥る沼です。

会社では、一般的に「自分がこうしたい」という希望よりも、組織として求められることが優先されます。自分の感じていることをそのまま表明したり、思いのままに行動したりすれば、評価が下がると感じる場面も多いでしょう。すると、その評価への恐れが、プライベートにおいても影響してきます。

たとえば、義理のお母さんやお父さん、自分の親に評価されることに怯えて、その目線が行動の指針になり、自分らしい毎日が送れなくなることがあります。

本当にやりたいことが見えなくなってしまうので、不安に襲われやすくなりますし、気づかないうちに恨みの感情や混乱が湧き起こり、沼にどんどんはまっていきます。

夫婦の会話が業務連絡になっていないか

沼⑤パートナーとの関係

どの夫婦もパートナーと本音で話したいと思っているものです。しかし、大事なことを話すと摩擦や衝突が生まれることも多くあります。話を着地させるには、中間地点を探したり、どちらの意見を採用していくかをすり合わせていったりと面倒くさい作業になるでしょう。ぐったり疲れたり傷ついたりすることもあるはずです。

そんなことは面倒だからと、「パートナーには話さないで自分で決めればいいか」「全部お任せしちゃおう」と思うようになり、対話をしなくなる夫婦もたくさんいます。

業務連絡は伝えられても、価値観や悩みを共有できずにいると、お互いに何を考えているのかわからない関係性になってしまうのです。

本気で夫婦が話し合えない状況は、タッグを組みたいけれど組めていない状態をつくり出します。対話して協力し合う関係性ができていないので、ここぞというときにお互いに力になることができません。

「協力したい」「相談したい」と思いながらもできていないので、いつの間にかパートナーを恨む感情に変わっていき、沼にはまっていくのです。ひどくなると、家庭が身も心も消耗する場となってしまうでしょう。