なぜ日本人の多くは中学・高校の6年間も英語を学んでいるのに、「使える英語」を身につけられないのか。16万部を超えるベストセラーとなった『英語ピクト図鑑』の著者・マーク氏が、英語コーチとして教えてきた中で本当に効果のあった英語学習継続の5カ条を伝授する――。

英語が話せないのは才能や努力不足ではない

「英語は中学・高校で6年間も勉強したはずなのに、まったく話せる気がしない……」

英語を勉強中の人や30代、40代のビジネスパーソンから、私は何度もこの言葉を聞いてきました。

「簡単な自己紹介すらとっさに口から出てこない……」

「会議で海外メンバーの英語が聞き取れない……」

こうしたことがあるたびに、「自分は英語のセンスがないのでは」と感じてしまう……。

そう落ち込む人もいるかもしれません。

最初に断言しておきますが、日本人が英語を話せないのは、決して努力や才能が足りないからではありません。

私は公立高校の普通科から専門学校へ進み、英語とはほとんど無縁のキャリアを歩んできました。学生時代の英語の成績は平均以下で、30代に入ってから初めて受けたTOEICは280点。そんな私が30代になってから英語を学び直し、TOEIC940点(リスニング満点)を取得して、現在はタイを拠点にノマド生活を送りながら英語のオンラインコーチとして活動しています。

元“英語難民”だった私でもTOEICで900点以上とれたのですから、皆さんもしっかり勉強すれば英語力を高めることができます。

ただ、当たり前ですが、時間はかかります。

英語学習は日本からイギリスに徒歩で行くようなもの

日本人が実用レベルの英語を習得するのに、いったいどれくらいの時間が必要かご存じでしょうか?

答えは、2200時間です。

どういうことかというと、数ある言語の中でも、日本語と英語はもっとも遠い言語と言われているんです。

言語学に「言語間距離」という概念があって、これはある言語と別の言語がどれだけ似ているか、または構造的に離れているかを示すもので、その距離が遠いほどその言語の習得に時間がかかるという考え方です。

この言語間距離で見ると、日本語と英語はももっとも距離が離れている言語の一つだといわれています。語順や発音、文法構造、文化的背景などにほとんど共通点がありません。

アメリカ国務省の付属機関(FSI)の調査では、英語を母国語とする人が日本とを習得するのには約2200時間の学習が必要とされています。これは、日本人が英語を習得する場合も同様です。

計2200時間ということは、毎日2時間勉強して約3年、1時間なら6年、30分なら12年かかる計算です。日本(東京)とイギリス(ロンドン)の直線距離は9600キロ程度ですから、海や山などを加味せず時速4キロで一直線に歩くと2400時間。

たとえるなら、日本人が英語を習得することは、日本からイギリスまで徒歩で向かうようなものなのです。

時間がかかって当たり前。短期間で身に付くと思うほうが、現実を見誤っています。

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写真=iStock.com/takasuu
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