「話せない」のは、反復が圧倒的に足りないから
では、なぜ中高6年間も英語を学んだのに話せないのか。私が考える理由はシンプルです。英語に伸び悩んでいる人は、「反復量が決定的に不足している」のです。
単語を一度覚える。文法を一通り理解する。それで「できた気」になって、次へ進んでしまう。しかし、人間の脳は繰り返さなければ定着しません。これは英語に限らず、受験や資格試験の勉強でも同じです。
たとえば私がリスニング力強化のために「シャドーイング」(英語を聞きながら真似して発音する学習法)を毎日30分続けて、明確な変化を感じたのは4カ月目でした。ところが多くの英語学習者は、3カ月前後で挫折します。皮肉なことに、成果が出始める直前でやめてしまう人が多いのです。
英語学習はセンスの良し悪しではありません。正しい内容を、正しい量で、正しく反復するかどうか。それだけで結果は大きく変わります。
忙しい社会人が英語を続けるための「継続の5カ条」
英語学習でもっとも多い失敗は、「正しい学習法を知らないこと」ではありません。「続けられないこと」です。ここでは、私が英語コーチとして多くの社会人を見てきたなかで、本当に効果があった「継続の5カ条」を紹介します。
①小さく始める
まず1つ目のポイントは、「小さく始める」ことです。目標を立てたり計画をつくったりするタイミングは、誰でもやる気が高い状態です。そのため、「毎日2時間勉強する」「平日は必ずシャドーイングを1時間やる」など、つい欲張った計画を立てがちになります。
しかし、最初に立てるべきなのは、「どんなに忙しくても、これくらいなら余裕でできる」レベルの計画です。私はこれまで英語コーチとして何十人もの生徒を見てきましたが、多くの方がスタートダッシュを頑張りすぎて、2カ月ほどで中だるみし、3カ月を待たずにフェードアウトしていきました。
英語学習にスタートダッシュは必要ありません。むしろ、スタート時こそ「物足りないくらい」でちょうどいいのです。
②ゼロの日をつくらない
仕事や家事、子育てなどで忙しい日常の中で、毎日まとまった時間を確保するのは簡単ではありません。体調がすぐれない日だって、精神的に余裕がない日だって当然あるでしょう。
だからこそ、「最低限でも“できた”と認めるしくみ」をつくることが大切です。1日5分でも、1ページでも、単語10個でもいい。どんな形でもいいので、「これだけやれば継続したことにする」という最低学習量の“マイルール”を決めてください。
英語学習は、1日サボると2日、3日、1週間……と空きやすくなります。完全にやらない「ゼロの日」をつくってしまうことが、挫折への入り口です。どんなに忙しくても、どんなに疲れていてもできる量。それを基準にしておくことで、英語学習は“生活の一部”になります。

