トランプアレルギーからトランプエネルギーへの転換が必要

また、長期的な視点では、日本の農業・エネルギー政策の抜本的な見直しも避けては通れません。農業の生産性や食料自給率の向上を促す施策が不可欠であり、それと同時にエネルギー供給の多様化を推進させつつ市場の変動リスクを抑えていくことが求められます。

さらに、トランプ第2期政権の政策動向にも注目する必要があります。前政権時と同様に、化石燃料の増産を推進する方針が示されていることから、短期的にはエネルギー価格が安定する可能性がある一方で、環境規制の緩和による長期的な市場の不確実性も懸念されます。

特に、日本にとって重要なLNGの価格動向は、米国の政策変更によって大きく影響を受ける可能性があり、エネルギー調達の戦略的な見直しが求められるでしょう。

結局のところ、CPIの上昇が続く中で最も重要なのは、経済の構造改革を進め、国民の実質購買力を確保することです。トランプ政権に振り回されるのではなく、「トランプアレルギー」から「トランプエネルギー」へと視点を変えること。トランプ政権の政策が日本のエネルギー市場や貿易関係にどのような影響を及ぼすかを慎重に見極めつつ、短期的な価格変動に振り回されずに中長期的な視点で経済政策を見直す必要があるのではないでしょうか。

トランプ大統領、2025年ポートレート
トランプ大統領、2025年ポートレート(写真=Daniel Torok/PD-author/Wikimedia Commons
(構成=池田純子)
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