「強みの種」を育てるためにやったこと
わたしは自分の「聞く力」を伸ばすため、いろんなことをやってみました。
そのすべてを記録する「聞く力」特訓手帳を作ったのです。
まず、商談の前には見込み客ごとに「質問リスト」作りを徹底します。
商談が終わったら、1つひとつの質問への反応を忘れないうちに手帳にメモ。
朝起きてから寝る前まで隙あらば手帳を開き、反応が良かった質問はどれか、成約につながった話題はなにか、チェックして復習します。
移動中の電車の中では、スマホで片っ端から誰かのインタビュー記事を読みました。
プロの「聞き手」は一体どんな話の引き出し方をしているんだろう? と気になったからです。
ここで、いい切り口の質問だ! と思えたものは、これも手帳に書き込みます。
そして休日には本屋さん巡り。
書店で「営業」と名のつく本を探し回り、その中で「話の聞き方」に関する項目があれば、むさぼるように読みました。
気になる本は購入して帰り、もちろんいいフレーズは手帳に書き加えます。
と、誰にでもできることしか思いつかなかったけれど、それでも日々考え、調べ、実践していると、少しずつ「話を聞くコツ」のようなものがわかってきます。
たとえば、
・多くを語らない相手には「抽象的な質問」「具体的な質問」を織り交ぜて聞く
・じっくり考えたいタイプの相手には、こちらも焦らず「無言」で待つ
・忙しくて長くは話せない相手なら「これだけは!」の最重要質問だけに絞る
・一度しか会える機会がない相手なら「質問リスト」を事前に送付しておく
など、学んだことを片っ端から全部ためして、その結果をまた手帳にメモする。
これをひたすらに繰り返しました。

相手が少しずつ話してくれるようになった
平日も休日も、寝ても覚めても「どうしたら相手の話を引き出せるか」ばかり考えているのは、もちろん楽ではありませんでした。
でも、ふしぎなんですが、すごく楽しかったんですよね。
きっと「自分で自分の強みを育ててる!」的なゲーム感があったんだと思います。
数週間後、ようやく努力が実り始めました。
それまで何度通ってもダメだった方が、少しずつお話ししてくれるようになったんです……!
最初は滞在時間が10分持つか持たないかくらいだったのに、1時間も2時間も話せるようになったことに気づいたときは「わたし、成長した!」と実感できました。