3つの思考法を組み合わせて問題を解く

「ロジカルシンキング」を知る人は多いでしょうが、それを最大限活用するのに必要な「ラテラルシンキング」と「クリティカルシンキング」は知っているでしょうか?

ロジカルシンキング(垂直思考・論理的思考)

「それなら」と、客観的に正しい答えをゴールと考え、そこへ向けた道筋を切り開く「ドリル」です。ただし、まっすぐ突き進むことが最短経路になるとは限りません。大きな問題が行く手を塞いでいる場合、その解決には多大な労力を要します。

ラテラルシンキング(水平思考)

「むしろ」と、問題を避けたり減らしたりして効率的に取り組みます。様々な方向性から問題を捉える「双眼鏡」です。ただし、進め方に工夫を凝らしても、道が進むのに適していないこともあります。前提条件が厳しいなら、その見直しも考えるべきです。

クリティカルシンキング(探究思考・批判的思考)
吉澤準特『クリティカルシンキング入門』(PHPビジネス新書)
吉澤準特『クリティカルシンキング入門』(PHPビジネス新書)

「そもそも」と、ロジカル・ラテラルに考える最適アプローチを見つけます。全体を確かめる「地図」です。ただし、見直しをやりすぎると、中身を議論する時間が不足して期限に間に合わなくなります。時間制限を設けた取り組み方が必要です。

考えをまとめることが得意な人は、ごく自然にこれら3つの思考法を組み合わせて問題を解くことができます。やり方さえ知っていれば、誰であっても同じ答えに考え至ることができます。私はこのやり方を「ビジネス思考フレームワークモデル」と呼んでいます。

PAC思考は、クリティカルシンキングの基本フレームワークです。問題の前提・仮定・結論の関係性を「そもそも正しいのか?」と問い、論理整合性と確実性の観点で評価します。これによって、現在のロジックを本質的にどう改善すべきか、判断できるようになるのです。

吉澤 準特(よしざわ・じゅんとく)
外資系コンサルタント

ビジネスからシステムまで幅広くコンサルティングを行う。『外資系コンサルの仕事を片づける技術』ほか著書多数。