三笠宮信子妃殿下が詠まれた和歌
敬宮殿下はまさにそのようにして、「敬」と「愛」の二文字に最もふさわしい皇族へと、成長されました。
敬宮殿下がご成年を迎えられた翌年(令和4年=2022)の歌会始で、三笠宮家の信子妃殿下が次のような和歌を詠んでおられました。このときのお題は「窓」でした。
ここに出てくる「姫宮」は、もちろん敬宮殿下です。
「ご成年を迎えられた敬宮殿下が、お車で颯爽と大学に通っておられるお姿を窓越しに拝見すると、眩しく輝いておられるように見える」――。
そのような意味でしょう。信子妃殿下は「ご幼少時より敬宮殿下に深い敬意と愛情を持って見守ってこられ」たといいます(宮内庁の和歌解説より)。結句の「姿まぶしむ」に、その敬愛のお気持ちが奥ゆかしく詠み込まれていました。
天皇陛下の後継者は、その血縁とお人柄において、敬宮殿下以上にふさわしい方は、思い浮かばないのではないでしょうか。
ところが今の皇位継承ルールでは、ただ「女性だから」というだけの理由で、敬宮殿下は即位できません。それどころか、ご結婚とともに皇族の身分を離れなければならない、というルールです。
1957年、岡山県生まれ。国学院大学文学部卒、同大学院博士課程単位取得。皇位継承儀礼の研究から出発し、日本史全体に関心を持ち現代の問題にも発言。『皇室典範に関する有識者会議』のヒアリングに応じる。拓殖大学客員教授などを歴任。現在、日本文化総合研究所代表。神道宗教学会理事。国学院大学講師。著書に『「女性天皇」の成立』『天皇「生前退位」の真実』『日本の10大天皇』『歴代天皇辞典』など。ホームページ「明快! 高森型録」