環境作りが重要

遊びのように読書させるには、まずは環境作りが重要だ。子どもたちの周りにおもちゃのように本を置いておく。寝室、リビング、キッチン、トイレ、車のなかまで、どこでも本が目に入り、サッと手に取れるようにしておこう。また、親を含めた家族全員が、自然に本を読むようにしよう。本は子どもだけのものではないという雰囲気が大切だ。

では、いつから本を読ませたらいいだろうか。答えは、生まれてからだ。文字を覚えるまでの時期は、読み聞かせをしよう。このとき重要なのは、とにかく量をたくさん読むことだ。そのためには時間を決め、その時間には必ず本を読んであげないといけない。

私の場合、毎日最低でも2時間は読み聞かせの時間を設けた。3人の子どもたち全員にこれをやってみたところ、一番大変だったのは末っ子のヘソンだった。上の子たちの世話もしなくてはならない上、夫は勉強に加えて教会の仕事もあったため、私はほとんど時間がなかった。そこで思いついた解決法は、長女と次女に、私の代わりに読み聞かせをしてもらうことだった。

こうして3人で交代しながら、各自選んだ本をヘソンに読んであげた。1日に20冊は読んだと思う。

ヘソンはお姉ちゃんたちが楽しそうに本を読んであげると、何を言っているかはわからなくても目をキラキラ輝かせて喜んだ。

子どもたちが自分で本を読める歳になると、読書量は私が読んであげていた量を超えた。それまで集中力を養ってきたおかげで、さらに時間をかけて本を読めるようになったからだ。こうして子どもたちは好きなように自由を楽しみながら、生き生きと本を読み、読書量がだんだん増えていくのだ。

黒板を背景に積み上げられた本
写真=iStock.com/DmitriiSimakov
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授業の不足を読書で補う

娘たちは読書の楽しみを身につけたおかげで、学校の勉強は簡単になり、成績もよかった。

学校では、教えるのがうまい先生もいれば、そうでない場合もある。運よく教え上手な先生に当たることもあれば、次の年には不運に見舞われるかもしれない。特に小学校では、担任の先生が全教科を教えるため、どんな先生に当たるかが勉強に直接影響した。私立学校に通わせればともかく、公立学校ではなかなか理想の先生に会えないのが現実だった。うちの子たちも、これまで見てもらった先生がすべて教え上手というわけではなかった。

だが、娘たちが先生の力量とは関係なく全教科に興味を持ち、教科の内容をしっかりマスターして好成績を上げられた秘訣は読書だった。先生に何か問題があっても、本を読めば自ら知識を補うことができるのだ。今思えば、わが子たちが読書好きだったことが、授業の不足を補うのに大きく役立ったのではないだろうか。