長期的な投資視点を入れてはいけない

一方で年末年始アノマリー投資には注意点もあります。まず、過去のデータに基づくため、将来の保証はありません。アノマリーは過去のデータから導き出された統計的な傾向であり、将来も必ず同じように起こるとは限りません。

市場環境の変化や新たな要因によって、過去の傾向が覆される可能性も存在。特にマクロ経済や政治的イベント(例:FRBの政策や為替動向)に大きく影響される可能性があります。個別銘柄に投資する場合は、企業の業績や経営状況などを詳細に分析する必要があります。

また、短期的な価格変動に注目する手法なので、長期的な投資視点を入れてはなりません。損失が出たとしても、そのうち戻るだろうと長期投資に切り替えることはせず、絶対に損切りしましょう。

さらに、年末年始であっても、突発的な出来事によって市場が大きく変動する可能性はあります。レバレッジをかけた投資を行う場合は、損失が拡大するリスクも高まります。

年末年始アノマリー投資と他の投資手法を比較した場合のメリットとデメリットを整理すると図表4のようになります。

【図表4】投資手法によるメリット・デメリット
作成=まつのすけ

年末年始アノマリー投資を実践する際のポイント

アノマリー投資は自分で過去のデータをチェックすることで、より精度を高めることができます。ここでは、日本株と米国株の年末年始アノマリー投資を実践する場合のポイントを紹介しましょう。ポイントは以下の通りです。

1.歴史的なデータ分析

・過去の株価チャート:過去数年の年末年始の株価チャートを詳細に分析することで、どの程度アノマリーが働いているのかを把握できます。
・セクター別分析:特定のセクターにアノマリーが強く出る傾向があるかを確認します。
・個別銘柄分析:個別銘柄の過去の年末年始の株価推移を分析し、アノマリーに強い銘柄を絞り込むことができます。

2.マクロ経済環境の分析

・景気動向:国内外の経済状況、政策金利、為替など、マクロ経済環境が株価に与える影響を考慮します。
・市場センチメント:投資家の心理や市場全体の雰囲気を把握することで、アノマリーの発生確率を推測することができます。

3.ポートフォリオの構築

・分散投資:複数の銘柄や資産クラスに分散投資することで、リスクを軽減します。
・リスク許容度:自分のリスク許容度に合わせて、投資比率を調整します。
・反復継続:1年だけで終わると損になるリスクもあるので、長期的に反復継続できる範囲で投資するのがベストです。カジノの経営のような視野が必要となります。