大納会の終値で買い、大発会で売る
このアノマリーを利用すると、大納会の終値で日経平均のETF・投信・先物などを買い、大発会の初値がマイナスになりそうな場合は、寄り(始値)で売り、プラスなら大発会の終値で売るのが有効です。実際にこの方法で投資をした場合、21世紀の成績は合計で平均0.60%、通算14.35%となりました(図表3)。
年末年始以外のアノマリーについても代表的なものを紹介しておきましょう。
■1月効果
1月に株価が上昇する傾向です。特に小型株に顕著に見られます。年末の節税売りが一巡し、新たな資金が流入するためと考えられています。
旧東証マザーズ指数の2003~2023年のデータでは、12月24日頃に底値をつけ、1月25日頃まで上昇傾向となっています。
流動性が低い中小型株を12月に仕込み、1月に売るという戦略が有効です。ETFだとRussell 2000 ETF(IWM)、東証グロース250ETF(2516)などが選択肢となります。
■ハロウィーン効果
年末年始を挟んだ数カ月のアノマリーとしては、ハロウィーン効果があります。10月末から翌年春にかけて株価が上昇するというアノマリーです。米国で特に見られ、年末年始の需給バランスの変化が要因の一つと考えられています。S&P500やNASDAQ100連動の投信・ETF等を、10月末頃に購入し、4~5月に売ると高リターンの傾向です。
他の投資戦略との組み合わせも可能
ここで年末年始アノマリー投資のメリットを整理しておきましょう。
一つは、過去のデータに基づいて、短期間で比較的高い収益を得られる可能性があります。年末年始は、企業業績発表や経済指標発表が少なく、比較的安定した相場となる傾向があるため、短期的なトレードに適している場合があります。
もう一つは、長期的な投資戦略に加えて、年末年始のアノマリー投資を組み合わせることで、ポートフォリオの多様化を図ることができることです。例えば、インデックスファンドで長期的な資産形成を行いながら、年末年始には余剰キャッシュや信用取引を活用し、特定の銘柄に集中投資を行うといったことが考えられます。