4つの壁、それぞれの特徴は何か

1.パートやアルバイトをしている本人への課税の壁(100万円、103万円)

本人への課税の壁は、実は103万円に始まるものではありません。お住まいの自治体によって多少の差はありますが、100万円を超えると住民税が課税されます。ですが、100万円を少し超えて支払う住民税は少額なため、あまり話題にはなりません。この次に来るのが103万円の壁です。103万円を超えるとパートやアルバイトをしている本人に所得税がかかってきます。

2.扶養されている配偶者や親への税法上の扶養の壁(103万円、150万円)

パートやアルバイトをしている方で配偶者や親などの扶養に入っている場合、103万円を超えると扶養されている配偶者や親の税法上の扶養を外れることになります。扶養を外れると配偶者や親の控除が減ることになり、支払う税金が増えるため、世帯の手取りが減ってしまいます。

扶養されている人の年収が103万円を超えると扶養控除、特定扶養控除がなくなります。配偶者の場合は扶養から外れてしまいますが、150万円までは配偶者特別控除が受けられます。150万円を超えると配偶者の配偶者特別控除が徐々に減るため、150万円の壁と言われています。

3.社会保険上の扶養の壁(106万円、130万円)

社会保険上の扶養の壁は130万円、条件を満たすと106万円が壁となります。

年収が130万円または106万円を超えると自身で社会保険に加入しなければいけなくなるというものです。

106万円で社会保険に加入しなければいけなくなるケースは以下の条件を満たした場合です。

(1)勤務先の従業員が51人以上
(2)賃金が月額8万8000円以上(年収換算で約106万円以上)
(3)週の所定労働時間が20時間以上
(4)2カ月を超える雇用の見込みがある
(5)学生ではない

この条件を満たした場合には、年収106万円を超えると勤務先の社会保険に加入しなければいけません。

一方、年収が130万円を超えた場合には原則全ての方が配偶者や親の社会保険の扶養から外れてしまいます。

加入している健康保険によっては3カ月の平均収入が一定額を超えるとその時点から扶養を外れるなどの基準があります。年収が130万円を超えた時点ではなく、超える見込みであることが確認されるとその時点から扶養を外れなければいけなくなることもあるので注意が必要です。健康保険によって判断が変わるため、基準を確認しておくことをおすすめします。

4.会社の家族手当の壁(103万円等)

漏れがちなのが、配偶者や親の会社の家族手当の壁です。会社によっては子どもや配偶者がいる場合に会社独自の手当がでることがありますが、この要件を税法上の扶養としているところが多くなっています。税法上の扶養となると103万円が壁となります。