家族の社会保険料を支払っている場合、控除対象になる
2.「社会保険料控除」:転職した人、家族の社会保険料を払っている人は要確認
2つめは「社会保険料控除」です。
社会保険料控除は、自分自身の保険料はもちろん、生計を一にする配偶者、そのほかの扶養親族の国民年金や健康保険料を支払った場合も対象となります。
この「生計を一にする」は、同居している必要はありません。生活費を共有していれば、離れて暮らしていてもOK。たとえば、別居中の仕送りをしている子や親も対象となります。家族の社会保険料を支払っている人は、見落としのないようにしたいところです。
たとえば親が子供の国民年金保険料を1年間支払った場合には、20万3769円(1万6980円×12カ月)を所得から差し引きできます。仮に所得税率が20%、住民税が10%とすると、所得税で約4万円、住民税で約2万円、計約6万円の税負担減となります。
年の途中で転職した人も注意が必要です。
転職の期間中に、会社員でない期間(第1号被保険者となった期間)が生じた場合は、自分で社会保険料を納めているはず。この自分で納めた社会保険料も所得控除の対象となります。
自分で支払った社会保険料を「給与所得者の保険料控除申告書」に記載して、転職後の会社に提出します。
会社員でない期間が生じなかった場合は、転職前の会社から発行された源泉徴収票を、転職後の会社に提出するだけでOKです。
iDeCoの圧着ハガキを捨ててはいけない
3.「小規模企業共済等掛金控除」:iDeCoに加入している人は要確認
3つめは「小規模企業共済等掛金控除」です。
長い名称ですが、これは確定拠出年金(以下DC)への掛金が対象となる控除です。個人型DCである「iDeCo」に加入している人は、この控除が該当します。
iDeCoの加入者には、10月頃に国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」が自宅に送られます。記載されている1年分の掛金を「給与所得者の保険料控除申告書」に記入しましょう。なお、この「小規模企業共済等掛金払込証明書」もあわせて会社に提出します。
企業年金のない会社員の上限額である毎月2万3000円をiDeCo掛金として支払った場合は、年間で27万6000円が所得から差し引かれます。仮に所得税率が20%、住民税が10%とすると、所得税で5万5200円、住民税で2万7600円、計8万2800円の税負担減となります。
企業型DCの掛金は企業側が行いますので、従業員が申請する必要はありません(マッチング拠出で掛金を上乗せしている場合も同様に勤め先が手続きします)。