“フキハラ夫”と旅行に行きたくない
フキハラが起きるのは職場だけではありません。
家庭の中でも、フキハラは起こります。先日も、ある女性から「旅行に行くと、『道路が渋滞している』『行きたいお店が混んでいて、並んで待たなくてはならない』『暑い』『疲れた』といったことで、夫がすぐに不機嫌になるんです。だから、子どもたちも私も、夫と一緒に旅行に行くのが憂鬱なんです」という話を聞きました。
家族の誰かが不機嫌だと、家の中に緊張感が漂います。周りは威圧感や不安感を持ち、萎縮して顔色をうかがいながら行動するようになるので、職場のフキハラと同じような状況に陥ります。それでメンタルヘルスに不調をきたし、病院に来られる人もいます。
家族の場合、会社と違って異動もありませんし、上司の上司や人事担当部署のような相談先がありません。また、誰かに相談したとしても、さらに深刻さが伝わりにくいでしょう。逃げ場がないように感じられて、一層悩みを深めているケースも少なくありません。
特に、家庭内はパワーバランスが固定しやすいので、「不機嫌な態度をとるのはやめてほしい」と相手に注意することすら難しくなっていることもあります。できるだけ状況が深刻化する前の段階で対処した方がいいでしょう。