日本の性産業は2兆~6兆円市場とも言われるほど巨大

奇妙に感じたのは「私たちは若いから、若いから!」の部分だけ全員が一斉に大きく声をあわせて、「若さ」を強調しているところだった。この発信元は、「日本文化を世界に届け、笑顔と平和を届けることを使命」にしているという株式会社が運営している「キャバクラおじさん」のアカウントだ。だが案の定、この動画には外国から英語でネガティブなリプや引用が多数寄せられた。多いのは、日本人を嘲笑する内容だ。

「よし、そっちへ行く!」
「日本のHentaiって本当なんだね。日本の女性はアニメみたいに、子どもっぽい」
「自分よりもIQの低い人達がいる(笑)」
「日本はおかしくなっている。国際的に男性に妊娠を求める女性の広告を載せている」
「私の頭は空っぽです(笑)」

性産業を批判する投稿も多かった。

「どんな売春宿がこんなことをする? 売春宿の基準からしても哀れ。地元の経済が悪くて風俗嬢に手を差し伸べなければならないのか?(笑)」
「女性の若さとナイーブさを宣伝して、観光客を風俗店に呼び寄せようとしている」

角間惇一郎『風俗嬢の見えない孤立』(光文社新書)
角間惇一郎『風俗嬢の見えない孤立』(光文社新書)

これらの女性が歌舞伎町で働く女性たちかどうか正体は不明だが、この投稿が「性的サービス」を示唆していると捉えた外国人は多い。

日本の性産業は2兆~6兆円市場とも言われるほど巨大だ。性風俗産業で働く女性に対するセカンドキャリア支援事業をしている角間惇一郎さんの『風俗嬢の孤独』(光文社)によると、仮に約2兆円としてもその規模は化粧品市場や製菓市場と同規模で、出版社の倍以上の大きさだという。

そのような巨大なビジネスが日本人のステレオタイプを歪めている。この状態を野放しにするとどうなるのか。