多様な選択ができることこそ令和の環境
別学と共学にはそれぞれ異なる特徴はあるものの、どちらかが生徒に致命的な害悪を与えるものではないし、どちらの方が優れているということもありません。
共学に限らず、別学も子供たちにとって、大切な選択肢の1つなのです。
多くの別学出身者や生徒たちが「別学でよかった」「居場所となった」と語っているように、必要としている人たちがたくさんいます。
あえて、1割程度にしか満たない別学高校を潰す必要がどこにあるのでしょうか。たった12校のマイノリティーな別学高校を認めない今の方向性は、多様性を認める社会の真逆をいく暴挙ともとれます。
多様な選択ができること、個人に合った教育を選ぶことができるこをこそが令和の世の中としてふさわしい姿なのではないでしょうか。
そう考えれば、男子校、女子校、共学と多様な県立が揃っている今の埼玉県の教育は他都道府県と比べて先進的なのではないかとさえ思えます。
さらにあらゆる性別(LGBTQ+)の人たちが、ここなら安心して通えると思えるような学校の形態を増やしていくこともこれからの社会に必要なのかもしれません。
何にせよ、一部の大きな声に翻弄されることなく、子供たちが自身に合ったより良い環境を選択できるように教育システムを整えていくという大目的を常に意識し、今後も議論を進める必要があるでしょう。
大手損保会社勤務時代にさまざまな女性の生き方、働き方に興味を持ち、女性を支援できるコンテンツ発信をするため、ライター・エディターに転身。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修了。同大学院にて、女子校出身者のキャリアについて研究を開始し、現在も同大学院の研究員として研究を続ける。