身心の集中をオフにする

①頰杖

A 両手のひじをついて、頭の重みを完全に預けている頰杖

机にひじをついて、両手のひらに頭の重みを完全に預けて頰杖をついている時、首はフリーになって力が抜けています。頭や目が疲れると、首も必ず疲れて硬くなるので、頰杖をついて首をゆるめ、頭を空っぽにしてリラックスしようとしている姿勢です。

B 片方の手に寄りかかるような頰杖

片ひじをついて、左右どちらかの手に寄りかかる頰杖もあります。

たとえば、本や手紙を読みながらゆっくり思いをめぐらせたり、ゆったりと物思いにふけったりする時によくとる姿勢です。

左右どちらかに重心を傾けることは、リラックスの基本姿勢と言っていいでしょう。首を少し横に傾げるだけでも緊張がゆるみます。

集中している時や精神が覚醒状態にある時は、あごを引いて首を立て、緊張を生む姿勢になります。首を完全にゆるめる頰杖は、そういったオンの状態から離脱し、身心の集中をオフにするのにとても有効な姿勢です。

前後左右どの方向でも、何かに寄りかかる行為はリラックスそのもの。その中でも、Aのように大きく前に寄りかかるのは、より深いリラックスになります。一方、Bのように左右に寄りかかるのが一番手軽で、よく見かけるリラックス姿勢です。 

頰杖をつきながら口をぽかんとして上を見るのも、首をゆるめて頭を空っぽにする姿勢になります。放心状態の時や、あまりにびっくりした時も口をぽかんとしますが、これは無意識に首をゆるませているのです。

②机の上に足をのせて背もたれに寄りかかる

机の上に足をのせる行為はかなり行儀が悪いですが、背もたれに思い切り寄りかかれるので、リラックスします。椅子よりも少し足を高くするだけでも、首がゆるみやすくなります。

自分以外のものに完全に寄りかかって身を任せるのは、二本足で立つ姿勢そのものをオフにするということでもあります。姿勢をいったんリセットし、リフレッシュして、良い姿勢を再生するための最高の姿勢と言えます。