「性の先進国」の英断

日本とは違い、高齢者に対して思い切った策を取ったのが、北欧のスウェーデンとデンマークでした。

和田秀樹『50代うつよけレッスン』(朝日新書)
和田秀樹『50代うつよけレッスン』(朝日新書)

1960年代から現在の日本と同じように国民の高齢化に頭を悩ませていたスウェーデンとデンマークは、老人たちに活力を与えて若返らせるために、1970年前後からポルノを解禁し、ポルノ映画の上映を合法化したのです。

スウェーデンは特に「性の先進国」と呼ばれますが、他にも非常にユニークな政策を行っていて国民の幸福度も高く、寝たきりの老人もほぼいないと言われています。

このような実質的な考え方を、日本の政治家も取り入れてほしいものです。

性的な気持ちを持つことは悪いことではありません。

「こんな年なのに恥ずかしい」「情けない」などと考えて自分にブレーキをかけないことが、老け込まずに若々しくいるために必要なのです。

和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、アメリカ・カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学教授(医療福祉学研究科臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。川崎幸病院精神科顧問。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。2022年総合ベストセラーに輝いた『80歳の壁』(幻冬舎新書)をはじめ、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『老いの品格』(PHP新書)、『老後は要領』(幻冬舎)、『不安に負けない気持ちの整理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる』(SBクリエイティブ)など著書多数。