自分の仮説を持っておく

また、上司は「部下の本音はこうではないか」という仮説を持っておくべきです。もし「傾聴」や「観察」だけでは十分なことがわからず、本人に直接本音を聞くしかないということになっても、それは自分の仮説を持った上での「確認」でありたいものです。

私も上司として人に言えた立場ではないのですが、できることなら、部下に「本当はこう思っているのじゃないか」と打診してみて、「えっ、なぜそう考えていることがわかったのですか⁉」と驚かせてみたい。仮説の証明です。それができて初めて、一流の上司だと胸を張ることができるのだと思います。

【コーナーまとめ】
・今の時代に必要なのは、「共感」や「一体感」よりも「多様性」。
・若い人が上司を評価するときのポイントは「自分のことをきちんと見てくれている」かどうか。
・「部下の本音はこうではないか」という仮説を持っておく。
曽和 利光(そわ・としみつ)
人材研究所 代表取締役社長

1971年、愛知県豊田市出身。灘高等学校を経て1990年に京都大学教育学部に入学、1995年に同学部教育心理学科を卒業。リクルートで人事採用部門を担当し、最終的にゼネラルマネージャーとして活動。後にオープンハウス、ライフネット生命保険など多種の業界で人事を担当。2011年に人材研究所を設立、代表取締役社長に就任。新卒および中途採用の就職活動者(採用される側)への活動指南を各種メディアのコラムなどで展開する。