すでにネントレの年齢を過ぎている場合は…

――ネントレ系ですぐにでも導入できるノウハウなどはありますか?

【森戸】寝る前にやることの順序や儀式を決めておくのがいいと言われています。心の準備ができるからです。

例えば保育園で講演をしたときに聞いたのですが「うちの子は決めた時間にちゃんと寝ない子だったけど、『時計の長い針があそこまで行ったら寝るんだよ』と前もって教えたら、ちゃんと寝られるようになった」という話をしてくれた人がいたんですね。突然「寝るよ」と言われると、まだ遊んでいたい場合にはものすごく抵抗されるけど、子どもに順番や流れを説明しておいて、自発的に行動の計画を立てさせることで改善したということで、なるほどと思いました。

――うちはもう5歳になってしまったし、もう間に合わない……という場合はどうしましょう。

【森戸】であれば、「5歳になったから、一人だけで寝られるね。お姉さんだよ?」と言うとか。

――おお、伝え方次第ですね。

目覚まし時計を持つ子どもの手
写真=iStock.com/FotoDuets
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私的な「認定講師」に要注意

――子どもの睡眠に関して、今はSNSで情報収集をする方も増えていますが、情報がたくさんありすぎてどれを信じていいかわからないという状態にもなっています。信頼できる情報を探す方法はありますか?

【森戸】誰が書いているかは大事かと思います。子育ての界隈は私的な認定講師がいっぱいいるんですよね。学術的な裏付けがなくても専門家を自称する人たちはいるので、本当に専門家なのか、何の専門家なのかを確かめてほしいと思います。

小児神経学会や小児内分泌学会などの学会が、一般の人に向けてメッセージを出していることがあるんですよ。たとえば小児内分泌学会だったら、「背が伸びるサプリメントというのはないですよ。そううたわれているものでも、効果は確かめられていません」とか、小児神経学会だったら「テレビ、ビデオなどの視聴は子どもの「脳とこころ」および体の成長に影響を与える可能性があるが、その時期あるいは視聴時間と方法、番組の内容などについてはさらなる科学的検討が必要である」、コロナ禍に日本小児科学会が出した、新型コロナワクチンの推奨などですね。

そういう学会だとか、国が認める資格を持った人かどうかは見てほしいですね。