始めるなら生後6カ月くらいまでに

【森戸】消去法を始めるなら6カ月くらいまでがいいと言われています。子どもの睡眠について研究している先生は、「生後数カ月のうちに『子どもは子ども。大人は大人』とすると、スムーズに一人で寝られるようになる」と言っています。でも2歳、3歳となって、喋れるようになってからそう言い聞かせてもなかなか難しいでしょう。「今までそうしてきたのになぜ急に」となってしまうから。

薗部容子さんは「明るい表情で『じゃあね、おやすみ』と言ってドアを閉める」と。「ごめんね。早く寝てね。お母さんまだやることあるから」と申し訳なさそうにすると、子どもが「私かわいそう」と思ってしまうといけないと書いてらっしゃいましたね。

――親の心持ちひとつ、見せ方ひとつで子どもに抱かせる印象が完全に変わりますね。あくまで一人寝をポジティブなものとして扱ってみせるわけですね。

世界で一番睡眠時間が短い日本人女性に知っておいてほしいこと

【森戸】日本人の女性って世界で一番寝ていないんですよ。日本人男性も短いんですけど。

“消去法”だと、子どもと親、両方の睡眠の質が上がるというメリットがあります。

ただ「“消去法”を実践すべし」ということではなく、こんな方法もあるということをお伝えしていければいいのかなと思います。今は一人っ子や二人きょうだいが多いから、「できるだけずっと一緒にいたい」という方はそうされるのがいいと思いますし、「でも別々に寝たほうが休まるし、子どもにも優しくできるかも」という人は、そうされるのがいいのかな、と。

「添い寝しなきゃいけない」や「寝かしつけないといけない」と思っている人には、「海外は全然そうじゃないから、そこを義務に感じすぎないでいいんだよ」というのは知ってほしいと思います。

寝返りを打てないうちは窒息の危険があって危ないので、枕、重いかけ布団、顔が埋まるような柔らかい敷布団、クッションやぬいぐるみは使わないほうがいい。そういう知識は持っておいてもらって、安全さえ確保できれば、1人で寝かせておいてもいいんです。

目覚まし時計と、カーテンを開ける女性
写真=iStock.com/Panuwat Dangsungnoen
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