新婚さんムードに冷や水をかけた水原一平氏のスキャンダル

そして、この原稿を書いている本日(3月26日)に、大谷の専属通訳として公私ともにサポートしてきた通訳の水原一平氏、彼がギャンブル依存症で、賭博で負けた7億もの金を大谷の口座から無断で送金したという正式な発表が大谷からあった。捜査中ということで質疑応答のない会見だったため、なぜそんなことになってしまったのか詳細は分からないが、まさに「メンタルコントロールができなかった人」を相棒のような存在として大谷が頼り切ってしまっていたという事実だけは明らかとなった。

それにしても、大谷との信頼関係、通訳としては異例の報酬、球団からも信頼が厚くファンまでついていた彼が、なにゆえに違法賭博に手を出し、ここまで嘘に嘘を重ねたのか。多くの精神科医たちが「ギャンブル依存症の典型的な行動」だと分析している。ただ、弁護する訳ではないが、大谷に近しい人間として認識されていた彼に悪い人はごまんと寄ってきただろうし、われわれには分からない高ストレスな仕事だったのかもしれないし、大谷に対する感謝と裏腹のコンプレックスなどもあったのだろうか? わからない。わからないが、彼のメンタルが異常な状況だったことに、周囲も大谷ももしかしたら彼自身も、誰も気づかなかったのだ。

記者会見で「一平さん」と言ってしまった大谷の心痛

強い光を放つ人間は、その光が強すぎて、周囲の人間が勝手に焼け焦げてしまうことがたまにある。

だから、スターとかカリスマなんて呼ばれる人達はより孤独になってしまい、人間不信に陥ったり、偉業を成し遂げながら「プライベートでは不幸せだった」なんて人も多く存在する。会見で大谷が水谷氏のことを「彼」と話していたのに、最後には「一平さん」と言っていて、未だ彼との距離が近しく、起こったこと自体を信じられない思いが強いのではないかと想像してしまった。

今回のことで一番ショックを受けているはずの大谷がこのタイミングで素晴らしいパートナーとの結婚を発表したことは、ある意味、奇跡的な不幸中の幸いである。

ただ、真美子さん自身もかなりのショックを受けたはず。ニュースを見ているだけのわれわれも「大谷が結婚」「パーフェクトカップル誕生」という国民的祝賀ムードで真美子さんブームが巻き起こりそうだったところ、わずか数日で一転、冷や水を浴びさせられたような気持ちになったのだから、現場にいる彼女の心痛たるやいかほどか。

しかし、前述したように、自身もプロアスリートとして勝負の世界で生きてきた真美子さんなら、現状を正確に把握し、ポジディブマインドで乗り越えてくれるのではないか。

大谷にはこのような事件に負けず、「偉業を成し遂げながら幸せにもなる」という、新しいカリスマの姿を見せてほしいとファンたちは願ってやまない。それもまた姑以上に厳しくて勝手な「スターへの期待」なのかもしれないが。

川崎 貴子(かわさき・たかこ)
リントス代表取締役

1997年に働く女性をサポートするための人材コンサルティング会社・ジョヤンテを設立。2016年より、働く女性の結婚サイト「キャリ婚」を立ち上げる。婚活結社「魔女のサバト」主宰。著書に『我がおっぱいに未練なし』『私たちが仕事をやめてはいけない57の理由』など。■川崎貴子のカウンセリングルーム