2つを説明すればいい

他のネガティブ要素と違って、打ち返さないと絶対にNGという訳ではありませんが、あえて言うと、他社でもやっていける柔軟性や適応能力が備わっていること、長年勤めた会社を退職した理由の2つを説明すれば良いということになります。

例えば前者の場合は次のような説明をします。

・1社勤務といえども配置転換を複数経験し、どこでもうまくやってきた
・営業の後、管理部門を経験するなど、違う職種にも対応してきた
・様々なプロジェクトに参画し、他社の方々とも協業してきた

後者の場合は、前節のような退職理由を説明します。

・会社が倒産した
・事業所が閉鎖になった
・先行きが不安で早期退職制度に乗っかった
・家庭の事情で全国転勤ができなくなった
・キャリアチェンジを図った

転職経験が乏しいこともあって、つい退職理由に比重を置きがちですが、「1~2回転職するなどごく普通」と採用人事は見ていますので、ここはサラッとで済ませて他のアピールに尽力すべきです。

OK! 通る文例
①新卒入社から現在までずっと今の会社に勤務し、育てて頂いた恩もありますから愛社精神も強く、定年まで働き続けたいという思いがあります。
②ただ、業績不振で早期退職制度等のリストラが始まり、先輩や上司が退職していくのを目の当たりにして、転職を考えるようになりました。
③初めての転職で不安や戸惑いもありますが、心機一転、新天地で頑張りたいと思います。
POINT
①セオリーどおり、今までを自分の言葉で振り返る
②今までを捨てて、なぜ今転職なのか? 転職に至る経緯を説明しておく
③本音を伝えつつ、ここも今後に向けての姿勢や思いを宣誓しておく
中谷 充宏(なかや・みつひろ)
社会保険労務士、キャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント)

NTTでSE、リクルーターを務めた後、1社で採用人事を含む経営企画を担当。2004年に独立開業。社労士として埼玉、東京を中心に中小企業の労務顧問を多数担い、2社の人事部長を任される等、現場最前線で人事労務コンサルを実践、労務問題と解決策を熟知。特に「モンスター社員」対策に精通。キャリアカウンセラーとして埼玉県教育委員会や自治体が運営する就労支援機関、4つの大学のキャリアセンターでの勤務を通じ就職支援実績が豊富。日本では数少ない、応募者と採用者の両面を熟知する存在。NHK、読売新聞、マイナビ転職等マスコミ取材実績多数。著書に『面接官が本音で教える集団面接・GD完全対策マニュアル』、『20代~30代前半のための転職「面接」受かる答え方』(秀和システム)等がある。