ネガティブ要素対処のセオリー

要素ごとの具体的な打ち返し方については後述しますが、セオリーは下記のとおりです。

①「不利になりそうだから」と事実を歪曲わいきょくしたり、隠ぺいしない
 ↓
②それをどう捉えているのか、自身なりの解釈を述べる
 ↓
③勤務上支障がないことを証明したり、入社後に粉骨砕身の思いで頑張るといった強い意思表示で、人事の不安を取り除く

それではさっそく、ネガティブ要素を打ち返す方法を解説していきます。

転職回数が多い場合はどうするか

職種や業界によって違いますが、ミドル世代なら概ね5回以上なら多い方だととらえてください。

2~3回程度なら気にすることはありません。

皆さんに職業を紹介してくれる転職エージェントが取り扱う求人には「40歳以下なら転職回数3回まで」といったように詳細な条件が付されています。

採用人事はこういった条件に抵触する人を「我慢が足りない」「責任感が乏しい」と見ていて、「当社に入社しても、すぐ辞めてしまうのでは?」と懸念しています。これを打ち返さないと前には進めません。

なのでやはり転職回数が多いのは不利に働きます。

最近も、経験、実績、実力とも申し分ないのに、落選が続くという相談者がいましたが、転職回数の多さがネックで、そもそもその人の内容を見てもらう工程まで進めなかった、ということがありました。

やみくもな応募はお勧めしない

一方でこういった裏事情を知らずに「実力さえあれば、どこに応募しようとちゃんと見てもらえるはず」とやみくもに応募件数を増やす人がいますが、秒殺(即不採用)が続くと心を折られるのでお勧めしません。

公開していない条件が付されている可能性が高いので、応募前に確認しておきましょう。メールや電話で「私は転職回数が6回あるのですが、応募可能でしょうか?」と伝えるだけです。

採用人事の懸念を払拭する

「当社に入社してもすぐ辞めるのでは?」という採用人事の懸念点を払拭する説明をするしかありません。今までの退職理由が下記のような場合は納得性が高いので、堂々と伝えましょう。

・会社が倒産した
・事業所が閉鎖になった
・先行きが不安で早期退職制度に乗っかった
・家庭の事情で全国転勤ができなくなった
・キャリアチェンジを図った

また、20代に転職回数が多いのなら「若かりし頃は、どういった仕事に就いたらいいか、わからずに若気の至りで」といったフレーズが使えます。

「多くの職場を経験してきたので環境適応能力が高い」とか「仕事覚えが早い」とアピールする人がいますが、採用人事はそうは見ていないので疎まれる危険性が高いです。絶対にNGとは言いませんが、ほどほどにしておいて、既述の懸念点を払拭することに集中しましょう。

赤い人のアイコン ブロックを指す手。
写真=iStock.com/tadamichi
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