ビジネスの場では嫉妬が日常。他人の成功を喜べないという人は少なくない。でも、大谷翔平のホームランに対して嫉妬する人はいない。この差はどうして生じるのか。食品メーカー社員、国会議員秘書などを経て富士山信仰の教主となった筆者は、執着を捨てれば人は成功の連続という――。

※本稿は、宍野史和『運をつかむ心のほぐし方』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

ホームランを放つ大谷選手。まったく敵わない相手には、嫉妬心は生まれない。2021年10月3日、マリナーズ戦の1回、46号先頭打者本塁打を放ったエンゼルスの大谷翔平(左)=アメリカ・シアトル
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ホームランを放つ大谷選手。まったく敵わない相手には、嫉妬心は生まれない。

大谷翔平のホームランに嫉妬する人はいない

他人の成功を喜べないという人は、心のどこかで、いや心の芯で「自分は成功していない」と思っている部分があるのだと思います。

他人の成功うんぬんの前に、まずは自分の成功している部分を探し、自分の成功を認めることです。

大谷翔平選手のホームランに嫉妬する会社員がいないように、まったく敵わない相手に対して嫉妬心は生まれません。逆に、「あいつ、またホームラン打ちやがった。クソ……」と大谷選手に対抗心を燃やす会社員がいたとしたら、不思議ですよね。他人の成功を気にして嫉妬するのは、少なくともその他人と同じレベルのところに自分もいると思っているからだ、と考えられます。

つまり、自分も実はいくつかの成功を積み重ねながら、今の場所にいるということ。そこで問題となってくるのが、「何をもって成功とするか」です。

百億円の札束に埋もれながら夜眠ることが成功なのか。はたまた、メジャーリーグで特大のホームランを打つことが成功なのか。

おそらく、多くの人にとっては次元の違う話で、このどちらかを実現できていないからといって、失敗にはならないはずです。

冷静に今までの人生を振り返ってみてください。結構、成功しているのではないでしょうか。

冷静に今までの人生を振り返ってみれば、自分も成功を積み重ねているはず。
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冷静に今までの人生を振り返ってみれば、自分も成功を積み重ねているはず。※写真はイメージです

自分の判断に従って起きたことはすべて成功

上手くいったことも上手くいかなかったことも、それらの原因は、少なからず自分が起因しています。上手くいかなかった経験を振り返ると、「あんな判断をしなければ」と思うかもしれません。

けれど、その判断を下したのは自分自身です。自分の判断に従い、その結果として起きたことならば、それは成功と呼ぶこともできるのではないでしょうか。

ただ、結果として起こっている状況が、自分にとって辛いのか、辛くないのかという話です。辛いから失敗なのか、辛くないから成功なのか。そうではないと思うのです。

成功と失敗の本質を考えてみると、自分が下した判断の通りに物事が進んでいれば、それはもう成功なのです。自分で下してきた判断を否定することは、とても悲しいことなのです。

だから、人生というのは成功の連続なのです。辛い、辛くないは別にして、みんな思った通りに生きているのです。人間は人の話など聞いていない。人の忠告など聞いていない。自分が思った通りに生きて、その通りの人生になっているのなら、結果はどうであれそれは成功なのです。

他人の成功を認められない人は、自分は失敗しているなんて思いなさんな。これはこれで成功だったと思えば、また見方が変わってくる。