学歴コンプレックスと高いプライド
実は彼らは、現代におけるリアルな男性像という現実と、彼らの抱く理想とのギャップを表していると思います。
まず、こういった夫に共通するのは、「学歴コンプレックスがあるがプライドが高い」という点です。名の知れた大学出身ではあるものの、第一志望ではなかったのか、周囲の友人に比べると劣等感を覚えるのか、本人には強い学歴コンプレックスがあり、受験時代や大学時代のことを聞くと黙り込んだり、怒り出したりします。
その一方で、プライドが非常に高く、テレビに高学歴タレントが出ていると「学歴はいいが地頭が悪い」「付属上がりで大学に行っただけ」「この学部はいまいちだ」などとケチをつけます。
友達がおらずコミュニケーションが不得手
もう一点は、「友達がいない」ということです。友達が少ないのではなく、一人もいないこともざらです。妻からは「呼べる友人がいないので結婚式を挙げなかった」「休日も必ず家にいる」「飲み会に行くのを見たことがない」という信じられないエピソードが出てきます。
また、実家の親やきょうだいとも不仲で疎遠という特徴もあります。
つまり、彼らは結婚するまでの人生で、誰とも良好な人間関係を築けたことがない人なのです。そのため他者とのコミュニケーションが不得手です。
このような人が結婚すると家庭生活はどうなるのでしょうか。
彼らはプライドが高いため、日常生活では「頭が良く、いつも正しい自分と、頭が悪くていつも間違っている妻」という自分の頭の中のイメージに基づいて、何かと妻を指導しようとします。しかしコミュニケーションが不得手であるため、怒る以外の言い方ができず、言葉を簡潔にまとめることもできません。
おそらく自分では、「知的な自分が妻を指導している」という理想像があるのでしょう。しかし実際は、言葉がうまく出てこなくて、金切り声で延々と「お前は頭が悪い」「どういう教育を受けてきたのか」と相手を責め続けるだけの短絡的な怒り方になっているのです。
そもそも怒ることにも慣れていないので、怒り出すと「常識を疑いますね」「親の顔を見てみたいものです」などと敬語になるのもよくあるパターンです。
こうして家庭内の雰囲気は険悪になりますが、それでも夫は休日も必ず家にいます。友達がいないからです。飲み会に行くなど、家庭の外でストレスを発散する手段がないため、仕事以外の時間は常に妻と顔を突き合わせて、怒り続けることになるのです。