「年上だけど甘え上手」が魅力的だったが…
会社員のA子さん(30歳)は、会社の先輩と結婚しました。8歳年上の彼は会社では頼れる人ですが、交際すると甘え上手なところが魅力的で、「守ってあげたい」と思って結婚を決めました。
夫は有名私大のOBで収入が高く、夫の親や兄弟もみんな同じ大学のOBです。両親は裕福で品のいい人で、家柄の良さも結婚相手として安心に思えました。
ところが、結婚生活が始まってみると、A子さんと夫はささいなことで何かと衝突するようになりました。A子さんが夜にメイクを落とすと「すっぴんは見たくないからやめてほしい」と言われ、2人で寝ていると「いびきがうるさい」と起こされて深夜にけんかになります。
共働きのため家事の分担を提案しましたが、夫は実家育ちが長く、基本的な家事がほとんどできません。掃除や洗濯は教えたものの、料理だけはA子さんの担当になったのですが、夫は好き嫌いが非常に多く、「お母さんはこんな料理作らなかった」と言ってほとんど何も食べてくれません。
「育ちがいいから神経質なのかもしれない」と思って気を付けていましたが、A子さんが一番気になるのは、夫が義両親とA子さん夫妻のLINEグループに何でも報告してしまうことでした。
料理もいびきも夫婦げんかも報告
A子さんが作った食事の写真をアップしては、「A子ちゃんの料理なんだけどどう?」と聞き、義母が「あまりおいしくなさそうね」「このおかずは○○君は食べられないわね」などと評価を返信します。また、夫がA子さんのいびきを録音してLINEグループに送信したこともありました。
夫婦げんかになると、毎回夫は義母に電話をかけます。「A子ちゃんが、僕が悪いって言ってるんだけど」「A子ちゃんに捨てられるかも」と聞こえよがしに言う姿は、とても30代後半の男性には思えません。
そのたびにA子さんは電話を代わり、義母に「どんな育ち方をしたらそうなるのかしら」「うちの子と結婚したんだからもっとちゃんとしてもらわないと」と言われては謝罪をしていました。
夫と2人だけで暮らしているのに、まるで夫の実家に住んでいるようで、A子さんは気詰まりな毎日を送っていました。
夫に「何でも実家を巻き込むのはやめてほしい、夫婦なんだから2人だけで向き合いたい」と話しても、「うちは家族仲がいいから何でも両親に相談する家で、兄弟もそうだよ」と取り合ってもらえません。
こんな人とは子どもを作れない、一度距離を置きたいと思って、A子さんは夫がいない日に荷物をまとめて、「お互い冷静になって話し合いたい」という置き手紙を残して実家に帰りました。