「長年のひどいモラハラで熟年離婚したいが、相手が応じてくれない」。こんな時はまず何をしたらいいのか。離婚や男女問題に詳しい弁護士の堀井亜生さんは「相手が離婚を拒んでいても、別居をして離婚の交渉をすれば、少しずつ離婚に向かって動き始める。なかなか別居に踏み切れない人でも、思わぬきっかけで別居できることがある」という――。
※本原稿で挙げる事例は、実際にあった事例を守秘義務とプライバシーに配慮して修正したものです。
離婚書類と結婚式の写真
写真=iStock.com/ururu
※写真はイメージです

長年のモラハラ、離婚したいが夫が応じない

私の事務所に、A子さん(54歳・パート)が離婚の相談にいらっしゃいました。

内容は、「長年、夫の長年のモラハラに悩んでおり離婚したいのだが、夫が離婚にも別居にも応じてくれない」というものでした。

詳しく話を聞くと、A子さんの夫は、日常的に怒鳴ったり、人格を否定する発言を繰り返す人でした。

「お前なんて何もできない」「誰の稼ぎで暮らしてると思ってるんだ」といった言葉を繰り返し、A子さんが少しでも言い返すとさらに激しく怒鳴る……という、典型的な中年のモラハラ夫です。

夫と距離を置きたいA子さんが「親の顔を見にしばらく実家に帰りたい」と言うと、「俺の食事は誰が作るんだ」「親と俺のどっちが大事なんだ」と責められるそうです。もちろん、離婚を切り出しても、「俺は絶対に離婚しない」「財産は1円も渡さない」と言って応じてもらえません。

A子さんは長年「老後は一人で暮らしたい」と思いながらも、こうして動けずにいました。