相手が条件をのむこともひそかに期待
前述の通り、こちらが提示する条件は、相当高いハードルを設定します。
なので、その条件が実現することはまずあり得ないわけですが、その可能性はゼロではありません。もし、相手が、その条件をのむようなことがあれば、また、その条件を満たすような商品があれば、それはそれでラッキーと思っています。
たとえば、先ほどの「公正証書の作成」「返済トラブル時にはセミナー・コラムのネタにする」といった条件については、相手が受け入れる可能性も、わずかながらあったわけです。
もし受け入れてくれたのなら、それはそれで、仕事のネタになるのでラッキーと思っていました。
また、IPO(新規公開株)の勧誘を受けた際には、私はいつも、「これまで貴社で取り扱ってきたIPOで、実際に上場した銘柄があるのなら、検討する」との条件を出しています。
実際、そのような実績のある業者であれば、勧誘してきたIPOが上場する可能性はまったくゼロではなく、もし上場が実現すれば相当な利益が期待できるので、投資してみる価値はあるとの判断です。
ただ、残念ながら今のところ、この条件を叶えてくれる業者は一社もありません。
このように私は、「できる条件を提示する」ことで、無下に断れない話を断りつつも、実はひそかに、その条件をのんでくれる案件があることにも、淡い期待を抱いております。
1977年大阪府大阪狭山市生まれ。大阪市立大学文学部哲学科卒業後、尼崎信用金庫を経て、2001年に藤原ファイナンシャルプランナー事務所開設。現在は、主に資産運用に関する講演・執筆等を精力的にこなす。また、大阪経済法科大学経済学部非常勤講師としてファイナンシャルプランニング講座を担当する。著書に『株、投資信託、FX、仮想通貨… ファイナンシャルプランナーが20年投資を続けてみたらこうなった』(彩図社)など。