脅威の利率3.3%
そして、そんな高い利率を誇る個人向け社債の中でも、この楽天モバイル債の利率3.3%は驚異的とも言える数字で、その発行当時、世の中はざわついたのでした。
ちなみに、楽天モバイル債の正式名称は「楽天グループ株式会社第22回無担保社債」で、表面利率3.3%・期間2年間の条件で発行されました。
株式の場合、いくら配当利回りが高くても、業績が悪ければその配当金額は減る可能性があり、また、株価の動きによっては、大きく元本割れとなります。
そんな株式に比べ、安全性の高いとされる債券で、この利率3.3%は驚異的なのです。
なぜなら、楽天モバイル事業が振るわずに赤字が続こうが、大赤字となろうが、とにかく2年間、発行体である楽天グループの存続を揺るがすような事態が起きなければ、債券である以上、その利息と元本は必ず保証されるのですから。
そう、楽天グループに2年間、「もしも」のことがなければ……。
楽天グループは、大丈夫なのか
さて、私は、その利率3.3%に大いに引かれつつも、楽天モバイル債に投資するかについては、大いに悩みました。それはつまるところ、「楽天グループは2年間、大丈夫なのか?」に悩んだということです。
もし、2年の間に、発行体である楽天グループに「もしも」があれば、最悪、投資額はゼロとなる可能性もあるわけですから。
投資するか否かの判断は、「楽天グループは2年間、大丈夫なのか?」に尽きるとも言えました。
当時、利率3.3%の衝撃は大きく、やはり、多くの人が同じように悩み、ネット上でも、「楽天グループは、こんな高金利でないとお金を借りられないのか?」や「楽天モバイル事業は大赤字なのに、大丈夫なのか?」など、発行体である楽天グループ、そして、その調達資金が充てられる楽天モバイル事業について、不安と心配の声が渦巻くのでした。
さらには、「楽天グループは、もうすぐ解体される」などの臆測も飛び交い、どうしても、そんな雑音にも気になってしまうのでした。