自己への低評価が一番の原因

今回の心的負担と出会いの損失を引き起こしたのは、実は相手の男性ではなく「気づいたら42歳になっていて。想像ではとっくに結婚して子育てしているはずだったのに、なぜ私はいまだに婚活しているんでしょう。今さらながら、20代当時に熱烈プロポーズしてくれた人と結婚しなかった自分を悔いています」(前出のM子さん発言)というMさんのこの思考に他ならない。

M子さんは、過去の栄光を回想しては自分の選択を悔いている。

未だ結婚していない自分をかわいそうに感じ、残念に思っている。

M子さんは言葉にしていないが、「こんな年齢の自分には価値がない」と、長い間自分を低く評価しているのだ。

しかし、M子さん自身はそのことに気づいていない。成婚したければ、自分で自分を傷つけ続けること(自己否定)を真っ先にやめること。これが何よりも最初にすべきことなのだ。

自分に非礼を詫びると(心で自分に謝ることを数日間繰り返す)自分に力が戻ってくる。そうすると、過去に思いを馳せて後悔し続けることがつまらなくなってくる。これだけで、出会いがガラッと変わったり、身近な良縁に気づけるようになったりし、最高のパートナーとの出会いが近づいているはずだ。

嘘だと思うかもしれないが、このようにセルフワークを行うことで、表情や雰囲気がやわらかく・にこやかに変わり、成婚していった40代以上の女性を、これまでに何人も見てきた。50代の成婚者も少なくない。まずは騙されたと思い、実践してみてほしい。

おすすめのワークをひとつ紹介する。

「ごめんねワーク」のやり方
1.自分の胸に手を当てる
2.自分で自分を否定してきたこと、自分で自分を傷つけてきたこと、自分の本心を無視し続けてきたことなどを「ごめんなさい」と謝る。
※これを今日から3週間、毎晩(もしくは毎朝)やってみよう。

湯船やスキンケアをしながらなど、好きなタイミングでOK。自己否定をしてきた自覚がない人にもぜひ試してほしい。

「幸せにしてほしい」は40代以上の成婚を遠ざける

もうひとつ、耳が痛いかもしれないが、婚活女性にお伝えしておきたい事実がある。

筆者はこれまで数多の婚活女性とお会いしたが、「男性が女性を幸せにするべき」という考えが強い人で成婚した40代以上の女性を拝見したことがない。M子さんは自分では気づいていないようだったが、「男性が女性を幸せにするべき」「私を幸せにしてほしい」という意識が強かったと言える。これも成婚を遠ざける思考のひとつなのだ。

花瓶に花を挿す女性
写真=iStock.com/key05
※写真はイメージです

M子さんがレストランのレベルを気にするなら、相手が予約してくれることを期待せず、自分で検索して「良さそうなお店がありますよ」と予算とともに彼に伝えておくこともできたはずだ。もしくは、咄嗟の判断は簡単ではないと思うが、サイゼリヤと言われたときに「にぎやかで話しづらいから、あちらのお店にしませんか?」などと提案しても良かったのではないか。

他の誰でもなく、自分が自分を幸せにしたい! と決めることで、弱みを見せたくないというプライドが薄れ、肩の力もふっと抜け、「こんな歳だからもう結婚できないかも」という不確かな妄想にも取り憑かれなくなっていく。

出会う相手を決めるのは、いつだって“今”の自分の思考だということを、婚活女性には覚えておいていただきたい。

伊藤 友美(いとう・ともみ)
アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラー

1970年生まれ、東京在住。約9年間の婚活中には、条件を下げたり、妥協を重ねることで「婚活ウツ」を発症。そこから研究を重ね、数々のワークを生み出し、実践。39歳から再開した婚活では、出会いから2カ月でプロポーズに至るスピード婚を果たす。自身の経験を通じて構築した〈最短最速で理想通りの男性と結婚する方法〉を伝える「3ヶ月で全員婚活卒業!婚活塾」は全国から参加の受講生で毎回即満席となる。受講生の成婚年齢は40代が一番多く、平均44歳。50代の成婚者も少なくない。結婚相談所Lulu Spacesの代表も務める。近著は『結局、理想を下げないひとが選ばれる』(フォレスト出版)。