軸をずらし過ぎた私の転職
ただ、闇雲に軸をずらせばいいわけではありません。軸ずらしの角度が大きい、3.業界も職種も変える、といった転職だと様々な壁に直面します。まったくの畑違いの業界だと内定獲得の難易度が高まりますし、職場環境も激変します。私の例だと、
例)「IT業界でITコンサルタントをシステムエンジニアとして行っていたのですが、今は建設資材を取り扱う商社の企画営業部門で支店長をしています」
IT業界から商社への軸ずらしと、ITコンサルタントから企画営業部門への軸ずらし。この組み合わせだとまったく関連性のない軸ずらし×2となっているので、育成に時間がかかる人材とみなされ、書類選考の時点で落とされる可能性が非常に高くなります。IT業界にいたときに、少なくともたとえば商社と取引があった等の接点は欲しいですが、そもそもシステムエンジニアから支店長が遠すぎます。職種の共通点もありません。一介の技術職から資材管理や売上管理のみならず、社員の管理監督といった支店全体を統括する支店長では、あまりに担う役割が違うからです。
これでは、運良く入社できても新しい職場環境に適応するまで相応の時間とストレスがかかります。会社から求められる水準も高くなりますし、結果を出せないと容赦なく年収ダウンする、厳しい世界への転職となってしまいます。
軸をずらし過ぎると年収ダウンになる可能性が…
この壁を乗り越えないと、短期間で元の業界や職種に戻ってしまう、悲しい転職を再度してしまうことにもなりかねません。実際、私は4年持たずにリストラされた挙句、その後の転職もうまくいかずにIT業界の派遣エンジニアへと、年収300万円下げてまで昔経験した業界へ戻ってしまいました(7社目⇒8社目⇒9社目)。それだけ軸をずらしすぎるのは危険なのです。
仮に年収1000万円まで到達したいのであれば、「軸ずらし転職」で細かいステップを踏むことが必須です。このように、1回の転職ですべてを達成しようとする、遠くへ飛び過ぎる「軸ずらし転職」は危険極まりないのです。
そうは言っても、なるべく1回の転職で可能な限り年収アップさせたいのが本音だと思います。そこで、最もリスクなく年収アップが可能で、ストレスもかからずに新しい職場環境にも適応できる「転職の技法」として、あなたの今いる「業界」と関わりがあり、共通項もある「職種」、そして役職と会社の「ポジション」を“ちょっとだけ”スライドして転職する、「軸ずらし転職」の細分化版「ちょいスラ転職」をこれから紹介します。