「住宅購入は一生に一度」は過去のもの
今は家事負担を軽減するために、電器調理器など時短家電をフル活用する人も多い。アンケートでは、約5割の人が活用しており、あまり活用していないという人も合わせれば、約8割の人が時短家電を所有していると思われる(図表10)。さまざまな種類の時短家電が発売され、便利ではあるものの、難点は「大きすぎる」こと。「大きすぎてスペースに余裕がなく、台所が狭く見える」「収納するにも重くて、キッチンの床に置いてある」など、置き場所に困っている人や、出しっぱなしにしている人も。時短家電の活用は、これからもますます伸びると考えられるため、今後の住宅設計では、「大きさがまちまちの家電が丸見えになっていると、気分が落ち着かない」の声も踏まえて、時短家電をスマートに収められ、スッキリ隠せる広めのスペースをキッチンに設けることが必須のようだ。
「住宅購入は一生に一度」と言われ続けて久しいが、年齢やライフスタイル、同居人数の変化などにより、いったん購入しても住み替えを考える人が増加している。
共に暮らす人の構成を見ると、現在の住まいに同居者1人がもっとも多く、配偶者(またはパートナー)との二人暮らしが約7割に上った。回答者の年齢と家族構成から推測すれば、すでに子が独立し夫婦二人の生活に戻っている人も多いと考えられる。
家族の変化により、駅近のマンションへの住み替えを視野に入れるのはもちろん、持ち家に限らず、今の住まいを終の棲家とするならば、さらなる高齢化と介護を見据えて、バリアフリー化を考えたことのある人は、約6割に上る(図表11)。
今回のアンケート調査では、キャリア女性の持ち家率は高い一方で「一生この家で暮らす」という強い意志ははっきりと見えてこない。人生はますます長くなり、家族構成やライフステージによって生活が変化していく時代、賃貸でも持ち家でも、人生の後半に向けてより快適に、より自分らしく暮らすため、住まいに対して変化を見据えている女性たちが多いことが見て取れた。