既婚女性の4割が住まいを買う・借りる際の決定権を持つ

では、住宅に関する決定権は、誰にあるのだろうか。一般的に既婚者の場合は、インテリアなどの内装は妻、購入に関しては夫が主導権を握ることが多いと言われているが、妻の個人年収が比較的高いキャリア女性家庭の傾向はどうだろう。

購入や賃貸に関しては、全体で69.7%の人が自身、つまり女性にあると回答。家族構成別に見ると、既婚者で子がいる場合では、44.2%、既婚者で子がいないケースでは41.8%。既婚家庭でも、実に約4割が女性(妻)に決定権があることがわかった。独身では自身で決定することがほとんどだが、独身(離婚)で子どもがいる人は、元夫や、親などに相談する人もわずかではあるものの存在する(図表9)。内装に関しては、全体で77.4%と圧倒的に女性に決定権があることがわかった。

【図表】住宅購入(または賃貸)の際に決定権のある人は?

コロナ禍で一気に進んだリモートワーク。在宅リモートワークの経験がある人は、全体の約8割に上る。では、住宅事情は在宅リモートワークに適しているのだろうか? 回答で特に多かったのが「通信環境」の悪さ。中でもマンション住まいの人から、「光回線速度が遅い」「Wi-Fi環境がよくない」との声が多い。リモート会議中にビデオが固まったり、音声が途切れたりするのはビジネスでは致命傷だ。古いマンションでは高速光回線化など、IT環境整備が追いつかないケースもあるという。また、部屋数の少なさにより、夫婦ともに在宅の場合は、「個室の争奪戦になる」「同部屋で作業するしかなく、集中できない」「家族の声が入って困る」などの問題があり、仕方なく「近くのカフェに移動して仕事をする」人も少なくないことがわかった。

こうした状況をベースに、住環境の改善点に、間取りを増やしたい人、さらにリモート環境を整えるために必要な住宅機能では「防音機能を備えたスペース」「個室(狭くていい)」「コンセントの増設」を希望する人がいるのは当然とも言える。