仕事とプライベートの境界線が薄い

ターゲットにされやすい人の特徴としてはもう一つ、「仕事とプライベートの境界線が薄い」ことがあります。

だらだら仕事をしていて、昼休憩を取らない。しょっちゅう残業をしている。休日出勤が多い。こうした、プライベートの時間と仕事の時間の境界線が薄い感じの人は、仕事を頼まれやすい傾向があるのです。残業をせず、常に定時に帰る人には、残業になりそうな仕事は頼みにくいですが、いつも残業している人なら、就業時間まで間がないタイミングで仕事を頼んでも、「どうせいつも残業をしているからいいんじゃないか」と思われてしまうのです。

ふだんから「プライベートはプライベート、仕事は仕事」ときっちり線引きしている姿勢を見せている人は、できない仕事ははっきり「できません」と断ることが多いので、仕事を押し付けてくるタイプの人のターゲットにはなりにくいでしょう。保育園のお迎えがありいつも決まった時間に仕事を切り上げる人なども同様です。

「どうも自分は、人から仕事を押し付けられることが多い」と感じている人は、まずは自分がプライベートの時間と仕事の時間の境界線をはっきりさせているか、見直してみるとよいと思います。

既に仕事をたくさん抱えていて大変なのに、頼まれると断れず、結局睡眠時間や余暇の時間を削って仕事をして、心身に不調が出てしまう。そうなると、仕事の集中力や思考力が落ちて、さらに生産性が落ちて仕事が終わらなくなるという悪循環に陥ってしまいます。どんどんストレスがたまり、もともとは自分の意思で受けた仕事なのに、頼んできた人に対してネガティブな感情が沸くようになり、人間関係にまでひびが入ってしまいます。

ToDoリストで忙しさをアピール

ですからまずは、先ほどもお伝えした通り、仕事とプライベートの境界線をはっきりさせるようにしましょう。「自分はプライベートも忙しく、仕事以外のことにも力を入れている。プライベートを削ってまで仕事をやるタイプの人間ではない」ということを周りに見せていきます。

また、さりげなく「忙しいアピール」をするのもいいでしょう。たとえば、今抱えている仕事のToDoリストを机の前に貼っておいてはいかがでしょうか。「忙しい」「忙しい」と口にするのは、それこそ仕事の能力がないのに忙しいアピールばかりしているように受け取られる可能性があるのでお勧めできませんが、ToDoリストなら大丈夫です。忙しさを見える化することになるので、説得力もあります。

そしてそのToDoリストには、その案件に関わる上司の名前を書いておくのもおすすめです。たとえば、「○○社へのプレゼン資料づくり:○月○日までに(上司の)○○課長に」と書いておくと、「私に仕事を頼むと、○○課長も巻き込むことになりますよ」とアナウンスすることにもなります。よい牽制になるでしょう。

ToDoリストを埋めていく人の手元
写真=iStock.com/takasuu
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