副業や投資はタイパもコスパも悪い

「タチが悪い」とまで言っちゃいましたが、なにも副業や投資自体を否定しているわけではありません。むしろサラリーマンなら積極的にするべきだと思っています。転職だけでは大金持ちにはなれません。会社に雇用されている限り年収の上限は決まっています。だから副業や投資で大金持ちになりましょう。そうそう起業もいいよね、なのですが。

そのためには正しい順番を知る必要があります。最初に転職、次に副業からの起業、最後に投資です。副業と投資を始めるにも、まず転職から始めるのがセオリーです。年収300万円のままで副業や投資を開始するのは、どちらも実にタイパとコスパが悪いのです。

お金の雨の下でラップトップコンピュータで働く成功したスマートな男の隣に座って赤い矢を下に落ちるのを見てストレス絶望的なビジネスマン
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簡単に稼げる副業はマイナスになることも

副業については、厚生労働省の「モデル就業規則」にも記載されて大企業のサラリーマンでも可能となったことから、始める人が増えています。「やらなきゃ損! 今すぐ副業を!」くらいの勢いですが、誰でも簡単に稼げるようになるわけではありません。

当たり前ですよね、本業でやっている人たちとの競争になるのですから。「誰でも簡単に稼げる副業」を謳っているものの中には詐欺案件か高額情報商材の売り込み案件も多く、まったく稼げないどころかマイナスになるので騙されないように。

副業の大事な視点は、「時給で考えてはいけない」ということです。時給で稼ぐのは単なる時間の切り売りですので、本業で残業したほうがマシです。せっかく大事な時間を費やすのだから、アンケートモニターやポイントサイトといったお小遣い稼ぎで疲弊するのはやめて、本業にも活かせるスキルや人脈、やりがいを手に入れましょう。

それと、「コストをかけない」ことも大事です。仕入れが発生するようなせどりや転売、はたまたネットワークビジネスは売れなきゃ損するだけです。

理想的な副業は、お金をかけず、在庫も持たずに、小さく始められ、ゆくゆくは本業以上の収入までコンテンツを育てられるスモールビジネスですが、育つまで時間がかかります。ブログアフィリエイトや動画編集、Webライター等、どれも月5万円の収入を定期的に得られるようになるまでには何百時間とかかります。

そんな時間を仕事以外の睡眠時間等を削って捻出するくらいなら、残業がなく疲れも溜まらないホワイト企業に転職して、時間と気力を確保できる環境整備から着手するべきです。副業に取り掛かれる時間と気力を生み出すためには、まず転職なのです。

というか、転職することで年収100万円上げれば月5万円の副業以上の収入を得られますから、無理に副業することはないですよねぇ。