“キレイなだけじゃない、1、2年後にも「感動」があるものをつくる”

「パッと見てかわいい! と思って選ばれるのではなく、1年後、2年後に『ああ、やっぱりこのバッグはほかのものと比べても、断然良かった』と思われるような仕上がりをめざしているのです。そのためには、フォルム、縫製、デザインを三位一体で完成させなくてはなりません」とも。

大量に生産され、ワンシーズンだけで消費されるようなファストファッションが主流の現代では、安東さんが手がけるものはぜいたく品かもしれない。半面、高価なものはていねいに扱うので、長く使える。結果的にコスパがいいと言ってよいのではないだろうか。

トートバッグとPCケースのコンビネーションが美しい。カジュアルなバッグに使われることが多いキャンバス生地 なのに、ビジネスシーンでも活躍するのがうれしい。
撮影=田子芙蓉
トートバッグとPCケースのコンビネーションが美しい。カジュアルなバッグに使われることが多いキャンバス生地 なのに、ビジネスシーンでも活躍するのがうれしい。

キャリアが四半世紀を超えて今なお欲しいものは“才能”

安東さんは特に趣味がなく、休む暇もなく仕事漬けの毎日を送る。ある時こんな質問を受けた。「今一番欲しいものは何?」と。地位でも名誉でもお金でもなく、「才能!」と即答したというから、おもしろい。50歳をすぎても、まだまだデザイナーとして成長したいという貪欲な姿勢には、感心するしかない。

そんな彼が手がけるバッグは、クオリティーの高さや美しさを“感じて、味わって”楽しめるもの。つまり、まさにブランド名そのもの。今後も安東さんが生み出すアイテムから目が離せない。

PRESIDENT WOMAN × FEEL AND TASTE コラボレーションの「PCケース付きキャンバストート」は、2023/7/8(土)~「プレジデント ウーマン ストア」で販売開始です。
商品の詳細等は、こちらから(https://presidentwoman.com)ご確認ください。

東野 りか
フリーランスライター・エディター

ファッション系出版社、教育系出版事業会社の編集者を経て、フリーに。以降、国内外の旅、地方活性と起業などを中心に雑誌やウェブで執筆。生涯をかけて追いたいテーマは「あらゆる宗教の建築物」「エリザベス女王」。編集・ライターの傍ら、気まぐれ営業のスナックも開催し、人々の声に耳を傾けている。