正しい税金の使い道を話すのも◎

さて、年収はそのまますべて手元に残るわけではないことも子どもに伝えたいポイントです。

年収からは、税金や社会保険料が差し引かれます。これを平均年収で計算すると、年収の約20%程度の税金、社会保険料を差し引いて353万4000円が年間の手取り収入となります。

税金は、医療、年金、介護などの社会保障や道路、住宅を整備する公共事業、教育や学校、病院、警察、図書館などの建設などにも使われています。

ニュースなどでは、政治家が税金を無駄遣いしているなど、ネガティブに報道されるので、給与から税金が差し引かれると、つい、嫌な気持ちを抱いてしまいがちです。

実際には、私たちが社会生活を営む上で欠かせない事業などに使われているケースが多いもの。子どもに伝えるときには、身近な例を交えながら正しい税金の使い道について話すと良いでしょう。

それでも年収を聞かれたら

子どもによっては、平均年収を聞いただけでは引き下がらず、親の年収を知りたがることもあるかもしれません。

その場合は、ご自身が働いている業界や職種の平均年収を伝えるのもよいでしょう。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」では、職種別の年収なども公表しています。また、転職サイトを一緒に見て、職種別の年収相場を体感してみるということもできると思います。

先ほど見たとおり、男女で平均年収は243万円も差がありました。職業でも大きく収入の開きがあります。

職業や働き方によって、収入には差があることに興味を持つこともあるでしょう。そのとき、母親の立場から収入と人間の価値は必ずしもリンクしないことを合わせて伝える必要があると思います。

年収だけでは、仕事の価値観を測ることはできない、収入以外にもやりがいや適正など、複合的な要素があることなどを伝えることも必要です。