消費者物価指数は2%を超える上昇率が続く

金融資産を持つことはインフレ対策にもなります。インフレ時代では資産を現金・預貯金だけで持っていると、お金の価値が目減りしていきます。

総務省が2023年4月21日に発表した同年3月分の消費者物価指数(CPI、2020年=100)は、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が104.1となり、前年同月比3.1%上昇しています。2021年12月以降上昇基調が続き、2022年4月以降、2%を超える上昇率となっています。

【図表3】消費者物価指数の推移

給与伸び悩み、社会保険料負担増で手取り減、インフレ……こんな時代には投資が必須です。投資でお金を堅実に増やしていく王道は、「NISA」「iDeCo」といった非課税制度を活用した資産形成です。

株や投資信託など値動きがある資産を元にお金を増やしていくためには、「長期投資」「積立投資」「分散投資」「低コスト」「非課税」の5つのキーワードを押さえる必要がありますが、こちらの解説は以前の記事でしていますので、ご確認ください。

値動きを気にしたくないならば、「貸付投資」という選択も

さて、「分散」の基本は値動きの異なる資産を組み合わせることです。一般的には株と債券は逆の値動きをしますので、両資産を組み合わせることが分散投資の王道です。

債券は、国や地方自治体、会社などがお金を借りるために発行する借用証書のようなもの。満期まで保有すれば元本が返済されますので、元本割れしないという面も持ち合わせています。

徐々に高く積み上げられたコインと矢印
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

なお、長期・積立・分散投資を行っても、値動きをなくすことはできません。どうしても値動きが気になる人、元本割れしたくない人、それでも預金利率よりは高い金利でお金を増やしたい人……、こんな人におすすめなのが、満期保有を前提とした、個人向け国債(変動10年)、米国ストリップス債、個人向け社債、貸付投資サービス「Funds」への投資です。なお、米国債はドルベースで元本保証ですが、為替による為替差損になる可能性がある点には注意です。

では、一つずつ見ていきましょう。