緊張の主な原因3つと対策
では、人前で話す場面での緊張対策について、主な原因と対処法をみていきましょう。
① 自意識過剰
緊張すると声が震える、声が上ずる、顏がこわばる、手が震えるなどの現象が起きることがあります。また、頭が真っ白になるのが怖くて、原稿を早口で棒読みしてしまう人、資料ばかり見て視線を合わせない人もいます。このように、人前で緊張している自分が、周囲にどう見られているのか気になってしまって不安になるという方が多いようです。
これは、自分に意識が向いている自意識過剰な状態です。人は誰でも、他人ではなく自分に一番興味があります。例えば、集合写真で最初に探すのは自分です。決して一緒に映っている友人を真っ先に探すことはしないでしょう。このように、誰でも自意識は持っています。
しかし、人前で話す場合、この自意識が強くなりすぎると厄介です。なぜなら、話の効果を決めるのは相手だからです。話の効果を高めるには、相手を動かさなければならないのですが、自分にばかり意識が向いていると、周囲がまったく見えなくなり空回りをしてしまいます。これでは、当然、期待する反応はかえってこないので余計焦ってしまうのです。
「何のために話しているか」に意識を集中させる
対処法としては、まず自分の緊張を意識しすぎないことです。残念ながら、相手はそこまで、あなたに興味がありません。自分では緊張してあがっていると思っていても、自分が思うほど、他人は気にしていないのだと割り切ることです。
次に、意識を自分から相手に向けるには、何のために話しているのかに集中することです。例えば、キックオフミーティングの目的は、「自分がうまく話すこと」ではありません。「メンバーに部の方針を自分事として受け止めてもらい自発的な行動を促す」ことです。このように本来の話す目的やゴール設定を具体的に言語化すると効果的です。
もし、自身の声の震えなど、話し方が気になるようであれば、話し方の練習で改善が図れます。どうしても人の目が気になってしまう方や、声が小さくて話の効果が上がらない場合には、緊張しても相手に伝わらないように話し方の印象を整えることをおすすめしています。