※本稿は、安斎響市『すごい面接の技術 転職活動で「選ばれる人」になる唯一の方法』(ソーテック社)の一部を再編集したものです。
年収交渉はネガティブな印象にはならない
年収に関する質問は、なかなか正直には答えづらいものかもしれません。しかし、本音を言えば、誰だって、できる限り高い年収オファーを手に入れたいはずです。「希望年収」の答え方について解説します。
希望年収は、特にこだわりはありません。御社規定に従います。
NGポイント! 交渉放棄はもったいない
面接で「希望年収」を聞かれた際、「できるだけ高い年収を提示してほしいけれど、あまり待遇のことばかり言うのは印象が悪いのでは」、「強気で交渉すると、図々しいと思われて内定が遠ざかってしまうのではないか」などと考えて、ついつい控えめな希望年収を答えてしまう人が相当な数いると思います。
しかし、ここで「御社規定に従います」と言ってしまうと、自ら交渉を放棄しているのと同じになってしまいます。
年収アップを要求したからといって、よほど的外れな金額を言わない限り、面接官から見てネガティブな評価になることはほとんどありません。
現職年収は高く見せるが吉
本当に本心からお金に一切興味がなくて、年収が大幅に下がってもいい、というのなら良いのですが、実際にはそんな考えの人はほとんどいないでしょう。年収は、自分で交渉しないと決して上がりません。
最低でも、年収560万円以上を希望いたします。現職の年収は、来年度の昇給見込みを含めると525万円ほどとなり、これに月3万円の住宅補助を考慮すると総額560万程度になります。以上と同等金額として、最低希望年収560万円です。
OKポイント! 現職年収を高く見せる
基本的なポイントとしては、この回答例のように、現職年収を答える際には「住宅補助」や「業績連動ボーナス」、「来年の昇給見込み」などの金額も含めて、できるだけ年収を高く見せることです。
例えば、会社負担の家賃補助が月3万円ある会社から、住宅関連手当ゼロの会社に転職した場合、仮に年収は現職と同額であっても、実質的には同等ではなく年収ダウンになってしまいます。源泉徴収票に記載されている金額に加えて、会社から支給されている金銭的な補助などがある場合は、その金額価値を合算したものを現職年収として交渉すべきです。
また、転職活動中に交渉している年収とは、基本的に「来年の年収」なので、「来年度までの昇給見込み」も計算にいれておかないと、実質、現職よりも低い年収になってしまいます。気をつけましょう。