どうお金を使えば幸せになるか考える

だとすれば、もっと「思い出」を得るためにお金を使うべきなのではないでしょうか。

大江英樹『90歳までに使い切る お金の賢い減らし方』(光文社新書)

自分のやりたいことにお金を使う、人とのつながりのためにもっとお金を使う、そうしたことの方が、お金を増やすことよりもはるかに大切なことだと思います。

まだ「死」を考えるには早すぎる、あるいはそんなことを考えるのは縁起でもないという人もいるでしょうが、人がいつ死ぬかは本当に誰にもわかりませんし、いずれその時は必ずやってくるのです。であるなら、ここからの人生を、「死」から逆算して考えてみてもいいのではないでしょうか。

これまで、ただお金を増やすことに一生懸命だった人生かもしれませんが、ここからはどうお金を使うことで人生を幸せにできるかを考えていくべきでしょう。

大江 英樹(おおえ・ひでき)
経済コラムニスト

大手証券会社に定年まで勤務した後、2012年に独立し、オフィス・リベルタスを設立し、代表に。資産運用やライフプランニング、行動経済学などに関する講演・研修・執筆活動などを行っている。近著に『定年前、しなくていい5つのこと』(光文社新書)など。