安全な投資セミナーとは

ただ、あやしいかどうかは、事前に主催者やテーマ等からある程度は予測できるとはいえ、実際には行ってみないと分からないものです。

そこで、ここならまず大丈夫だろう(安全だろう)、という投資セミナーをいくつか紹介したいと思います。

日本FP協会主催のセミナー

日本FP協会とは、広く一般市民に向けてファイナンシャル・プランニングの啓発と普及を図るNPO法人です。日本FP協会以外にも、マネー教育に力を入れている素晴らしい団体はたくさんあるとは思いますが、私が自信をもって勧めるのはこの団体です。

なぜなら、私自身、この日本FP協会大阪支部で10年間ボランティアスタッフを務め、各種セミナーや相談会を運営してきたからです。そんな実体験から、「無料で」「質の高い」「勧誘の一切ない」セミナーであると断言します。セミナーテーマは投資以外にもいろいろあって、日本全国で、わりと頻繁に開催されています。

日本FP協会HP

国や自治体、公的機関主催のセミナー

たとえば、金融広報中央委員会主催のセミナーなど、こちらも「無料で」「質の高い」「勧誘の一切ない」セミナーとなっており、あやしさ度合はゼロと言えるでしょう。

金融広報中央委員会HP(知るぽると)

ただ、開催頻度は多くはなく、募集人数も限られていることから、実際に参加するとなると、地元自治体主催のセミナーが現実的でしょう。自治体からの情報(広報誌・HP・パンフレット等)をチェックすれば、わりとアチコチで開催されているものです。

とくに地元市町村など狙い目で、地元公民館や図書館の情報をこまめにチェックすれば、意外と身近なところで、投資セミナーが開催されているかもしれません。

金融機関主催のセミナー

銀行や証券会社等が主催する一般顧客向けセミナーで、これも基本無料です。

多くの金融機関が定期的に実施しており、会社挙げての数百人規模のものから、支店開催の数人~数十人規模のものまで、その規模やテーマも様々で、探せば、必ずや自分に合ったものが見つかるでしょう。

セミナーでの「勧誘(商品・サービスの案内)」はあっても、不快なほどに強引な勧誘はないはずです。

個別勧誘が不安な人は、数百人規模の大きなセミナーであれば、個別勧誘は(物理的にも)まずないと思われるので安心でしょう。また、投資セミナーに慣れていない人であれば、何度か足を運んだことのある支店で開催されるセミナーであれば、行きやすいかもしれませんね。

そういった視点から、投資セミナー初心者の方にとって、金融機関主催のセミナーはお勧めと言えます。

コロナ禍においても、行動制限はしない流れになってきていることから、今後ますます、リアルの投資セミナーは増えてくることでしょう。

我々にとって、情報収集の選択肢が増えることは好ましいことではありますが、それに伴い、あやしい投資セミナーも増えてくるはずです。

そんな中、今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

藤原 久敏(ふじわら・ひさとし)
ファイナンシャルプランナー

1977年大阪府大阪狭山市生まれ。大阪市立大学文学部哲学科卒業後、尼崎信用金庫を経て、2001年に藤原ファイナンシャルプランナー事務所開設。現在は、主に資産運用に関する講演・執筆等を精力的にこなす。また、大阪経済法科大学経済学部非常勤講師としてファイナンシャルプランニング講座を担当する。著書に『株、投資信託、FX、仮想通貨… ファイナンシャルプランナーが20年投資を続けてみたらこうなった』(彩図社)など。