自分とパートナーの関係を見つめ直す
では、こうした場合はどうしたらよいのでしょうか。
まずは、夫婦は対等であるという立ち位置をしっかり確認し、「自分がどうしたいのか」を見直すことが大切です。「夫なのだから、妻なのだから、こうするのが義務」「世間体を考えて、私が我慢しなければ」ということではなく、自分の望みにしっかりと向き合ってください。
「お酒を飲んでいる時はひどいけれど、しらふの時はすばらしいパートナーだと思う。だから私はやはり支えたい」「しらふの時はよいけれど、やはりお酒を飲んだ時の様子は耐えられないからもう我慢できない」など、本音ではいろいろと望みがあると思います。義務や世間体を優先して、自分の望みを後回しにしないでほしいと思います。
しらふの時間をどう増やすか
自分の願望を捉え直したうえで、もし離れたいなら、その方向で話を進めていくしかありません。でも、もし「また以前のような、楽しい時間を取り戻したい」ということであれば、簡単なことではありませんが、いくつかお勧めしている方法があります。
まず、「お酒をやめさせる」など、本人を変えようとするのは難しいでしょう。でも、しらふの時間を増やすよう、環境を変えることを考えてください。例えば、簡単な家事をお願いする、一緒にお弁当を持って近所の公園に行く。本人が好きなことを「一緒にやろう」と誘うようにします。日帰り温泉や、スポーツ観戦に誘うのもいいでしょう。1日24時間の中で、いかにお酒を飲む時間を減らして、しらふで楽しめる時間を増やせるかを考えるのです。
お酒を飲み過ぎる人は、ストレス解消法の選択肢が少なく、時間があれば飲むことでストレス解消しようとする傾向があります。ですから、なるべくお酒以外のストレス解消を促して、しらふの時間を増やしていきます。
そして、しらふの時間をしっかり肯定してあげてください。たとえば、家事をしてくれたら「ありがとう」「本当に助かった」、一緒に出掛けたときは「楽しかった」「つき合ってくれてうれしかった」と、言葉にして伝えます。「お酒を飲まなくても満たされる」状態を増やすことで、「お酒を飲む必要のない環境」をつくるサポートをしましょう。
しらふの時を選んで伝える
さきほど、酔っている人には、いくら苦言を呈しても届かないとお伝えしました。ですから、「こうしてほしい」という希望を伝えるときには、本人がしらふの時を選びましょう。
ただ、酔っている時に受けた暴言や暴力に対する怒りやフラストレーションを、そのまま伝えると、どうしてもとげのある言い方になり、相手を怒らせてしまうばかりです。伝え方には工夫が必要です。ポイントは3つあります。