散らかっていることが原因で詐欺にあってしまった…

片づけレッスンで出会ったFさんの家は大変散らかっていました。

Fさんが片づけをしようと一念発起されたきっかけは、詐欺にあわれたことでした。Fさんは私と出会う少し前に、なんとなくお金の不安があったので、長年の友人Gさんに誘われて、マルチビジネスの話を聞きに行かれたそうです。

Gさんによると最近知り合った方がすごくお金に詳しい人で信頼できるとのことだったので、Gさんの言うことだからと信じたそう。

高額なサプリメント60万円分を買って、その口数ごとに配当がもらえるという話だったのですが、しばらくしてその会社は摘発されました。

Fさんは、「自分の頭でしっかり考えて、調べていたら、詐欺にはあわなかったと思います」と悔やみ、モノの片づけを終えた後に、紙片づけもされて、ご自身の財産をきっちりと把握されました。

そして、家計管理を見直し、積立NISAなどの投資の勉強もするようになると、お金に対する漠然とした不安も消えてなくなったとのこと。

このように、モノを片づけて収納枠の中で管理することができるようになると、見えないお金の枠(予算)も意識できるようになり、苦手だったお金の管理をちゃんとできるようになる方がとても多いのです。

少年の部屋
写真=iStock.com/Natallia Ramanouskaya
※写真はイメージです

片づけレッスンに来られる生徒のみなさんは、どなたも、本当に真面目で優しく、心細やかな方ばかりです。

だからこそ、モノの片づけ、そして紙片づけで、暮らしの土台を整えて、金銭的な不安をなくし、安心できる生活を手に入れていただきたいといつも感じています。

紙片づけができなかったせいでお金を大損してしまった…

紙が片づいていないせいで、損をした方をこれまでたくさん見てきました。

ある方は、保険に入ったきり、ずっと見直さずにいたら、なぜか火災保険に二重で入っていました。今はできないかもしれませんが、その方の場合は、府民共済と普通の保険会社の両方に入ってしまっていたそうです。でも、本来、火災保険は一家に一つ。だから、火事になっても2カ所からはもらえません。幸い、火事になることはありませんでしたが、もらえないもののためにお金を払い続けていたなんて大損です。台風の時に壁が壊れて、火災保険の紙を探しているうちに3年たったという方もいました。

また、よくあるのは控除のやり忘れです。控除の紙がどこかに行ってしまって申請できない、そもそもそんなことを忘れていた、という方は多いです。

大事な紙を管理できていないのは、お金がぽたぽたと漏れていっているようなもの。紙をしまいこんで内容を把握せず、お金を失っているのです。