スマホ代金を滞納するとブラックリストに載ってしまう

そして、若い方に、声を大にしてお伝えしたいのが、スマホ代金は絶対に滞納しないこと!

紙が散らかっているせいで、督促状が来ても気づかず、「裁判になりますよ」という大事な紙が来ても気づかず、支払いを放置しているとブラックリストに載ります。

すると、クレジットカードが作れなくなったり住宅ローンが組めなくなることもあります。人生設計にかかわるので、きちんと管理しておかないと大変です。

だからこそ、紙片づけが大事。

入ってくる紙をルール通りに処理すれば、大事な紙を見失うことはありません。そして、財産にまつわる紙をあぶり出すことで、現状を把握できます。

現状を把握すれば、危機意識が芽生えて、将来を見据えた対策が取れます。

紙片づけは、お金の管理に直結しているのです。

「お金を貯めたい人は、まずは紙を片づけよう」という感じです。

LATE PAYMENTと書かれた金属
写真=iStock.com/domoskanonos
※写真はイメージです

紙の価値に気づくには一枚一枚向き合うことが必要

財産の管理能力を上げる「紙片づけ」とは、紙を丁寧に取っておくことではなく、一枚一枚と向き合って、必要な紙だけを残すことです。

Aさんは、書類をきっちり収納していたにもかかわらず、一枚一枚と向き合っていなかったがために、2000万円も損をしかけました。

彼女と一緒に家の中を片づけていた時のことです。生命保険会社から届く控除の書類が出てきました。でも、照らし合わせてみても、それに対応する証券がありません。

生命保険会社に確認するように伝えると、「いや、私そんなん入った覚えないわ。京子ちゃん、わからへん。私、こういうのめっちゃ苦手やねん。代わりに電話して」と言われ、「娘ですけど」と電話。だけど、やっぱり本人にしか話せないということなのでAさんに電話をかわりました。すると、みるみる顔色が変わっていって、「そうですか、わかりました」と、電話をお切りになりました。

そして、笑顔で「あったわ」。

なんと、彼女は、旦那様が亡くなった時に下りた生命保険の2000万円を使い果たしたと思っていたけど、そうではなかった。実は、保険会社の方に言われて、その生命保険を自分の名義に変えて、息子さんを受取人にしていたんです。彼女はそれをすっかり忘れていました。

石阪京子『人生が変わる紙片づけ!』(ダイヤモンド社)
石阪京子『人生が変わる紙片づけ!』(ダイヤモンド社)

彼女のように、書類はとりあえず置いておけばなんとかなると思って、中身を把握せずに放置していると、大損しかねません。

紙は、一枚一枚向き合わないと、その価値に気づけないのです。

けれども、それこそがスタートです。お金と向き合うスタート。

よくわからないからと目を背けているのではなく、向き合ってみてください。そうすれば、お金の出口と入口が見えるようになって、するべきことがわかってきます。

石阪 京子(いしざか・きょうこ)
片づけアドバイザー

宅地建物取引士。JADPメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。大阪で夫と不動産会社を起業、夢のマイホームを手に入れても片付けができないと諦めている多くの人に出会う。自分にできることはないかと女性目線での建築設計、引っ越し後のアフターフォローとして家の片づけを提案。独自のメソッドは、一度やれば絶対にリバウンドしないのが特徴で、これまで様々な片付け法を試したり、プロに頼んではリバウンドを繰り返してきた人たちの「最後の駆け込み寺」となっている。