「お清めの儀式」を持っておく

負の気持ちに捉われてしまった方、あるいは新しい職場でネガティブなことばかり言ってくる人に出会ってしまった方にも対処法があります。それは、どんな形でもよいので、お清めの儀式を持つということ。万人が取り入れやすいのは塩風呂。お塩を一つかみ入れたお風呂に入り、ネガティブな気持ち、言われてイヤだった言葉を洗い流すことをイメージするのです。ぴょんぴょん飛び跳ねるのもおすすめです。これは、自分の中にたまっていた悪いものを下におろしていくイメージです。

つい先日、あるお寺の貫主かんすさま(大きなお寺を代表する住職)とお話する機会がありました。そこで頂いたのは、「思いっきり恥をかきなさい」という言葉。この言葉には、「失敗しなさい」というマイナスの意味ではなく、「自分ができ得る限りの手立てを講じてみなさい」という思いが込められています。一時的に恥をかいたとしても、一生懸命やったことを見てくださっている人はいるし、あなたが行動したことによって救われる人もいるからね、というわけです。

今月のひとこと
今月のひとこと

過去があるから今があります。過去にしてしまったこと、起きてしまったことは仏さまであっても取り替えることはできません。それならば、「因縁果」の法則を胸に、今与えられた場所、今与えられた役割をよく考え、そこで生じた縁を大切に、前向きに仕事に取り組んでみませんか? 私の大好きな言葉「一隅を照らす」のとおり、その頑張りはやがて誰かの光になるはずです。

構成=山脇麻生

髙橋 美清(たかはし・びせい)
天台宗照諦山心月院尋清寺住職

1964年、群馬県生まれ。短大在学中からモデルとして活動した後、フリーアナウンサーに。群馬テレビのレポーター、日本テレビ「おはよう天気」キャスター、競輪のテレビ中継の司会者のほか、フィニッシングスクールを主宰し企業などのマナー研修を行う。2011年に得度、2017年に比叡山延暦寺で修行を行い、正式な天台宗僧侶となる。2020年12月、群馬県伊勢崎市に天台宗照諦山心月院尋清寺を建立。