集まってだらだら話したい気持ちは無くならない

でも、地域を生きる人々の間には、どうしても「参集したい気持ち」がさまざまな心のレベルで共有されている。コロナ禍が続いて、ようやく7つめのウェーブが収まりつつある今、各種制限もつけながら地域の秋祭りは3年ぶりに開催されていて、私が見聞きしたものを総合すると、驚くほどのにぎわいぶりなのである。

究極の効率化を図って、「バーチャルお祭り体験」などが技術的にはたやすくできる昨今でも、人々の「何か集まって、たむろって、だらだらと話したい」という気持ちは決して無くならないのだ。外注と効率が過ぎると、人々のこうした気持ちにふたをしてしまうのだ。

究極の非効率として体験した「開校一期生とのイベント」

娘が通う小学校は、今年の秋が開校80周年だった。学校の公式行事も何とか無事に終わり、今度はそれに続いて保護者有志による「80年前にタイムスリップ!」というスペシャルイベントが行われた。

卒業第一期生(併合開校ゆえ当時4年生だったので90歳!)を中心に、「あの頃の小学校と地域の様子・暮らし」を、保護者と子供たちがインタビューをして、それを演劇として表現し作り上げ、かつ「戦時中時代」「ママパパの子供時代」、そして「自分たちの今」の三つのそれぞれの時代の「遊び場マップ」を作成したのである。

もちろんここに集まったのは、PTAサークルの中の有志が「この指止まれ!」と声がけした結果来てくれた人たちだ。

PTAサークルは、なにも「バレーボール」とか「コーラス」だけでなく、学童保育が終わる高学年の放課後の居場所を考えるサークルであったり、子供たちと演劇を楽しむサークルなどもあり(自由にサークルを作れるし予算もつけてくれる)、その中には昨年地域の商店街アーケードの取り壊しに際して子供たちがやったサヨナラのイベント劇のメンバーが含まれていたりする。つまりあちこちから集まった人や子供たちで、そこにPTAによる強制的な動員は全くない。PTA役員も「一部含まれている」だけで、ゆるやかにバックアップしてくれた。

高齢先輩方へのインタビューのための歴史や地理の勉強、母校出身者の発見と協力要請、演劇のための脚本作りと子供たちの稽古、慣れない舞台装置の工夫や準備など、半年にも及ぶ長期的な計画と努力と模索が、文字通り素人集団の手作りによって継続的になされた。これぞまさに究極の「非効率」作業だった。