アトピー、便秘、慢性疲労症候群が改善

治療とは別に、必要とあれば野菜スープを一般の患者にすすめている医師がいる。鹿児島市にある「堂園メディカルハウス」の堂園晴彦院長(医学博士)で、本書冒頭にメッセージを寄せていただいた医師である。

堂園博士がすすめる野菜スープは、キャベツ、にんじん、たまねぎ、かぼちゃがベースである。これは、主にアトピー性皮膚炎の人、便秘で困っている人、慢性疲労症候群の人にすすめているという。

「アトピーの人は肌がよくなったと言いますね。野菜スープで腸内環境がよくなればビオチン(ビタミンH)がつくられます。ビオチンは皮膚をつくるビタミンですから肌がよくなるのは当然ですね。

また、慢性疲労症候群のいちばんの原因は、脳に活性酸素が溜まったことによるものですから、そういう方には、ビタミンCなど抗酸化成分をたくさん含む野菜スープは重要な役割を果たすと考えられますので、積極的にすすめています」

血圧が下がり5キロの減量にも成功

アトピー性皮膚炎の治療でやってきた女性(当時48歳)に尋ねてみた。2021年7月段階で、6カ月前からステロイドを使わない治療と一緒に野菜スープを飲み始めたという。

「2021年1月からです。たまねぎとにんじんは必ず入れ、あとは手に入りやすいもので作っています。自分では変わったという意識はないのですが、気がついたら周りから“ほっそりしてきたね”と言われるようになりました。ここ2、3週間で皮膚もきれいになってきました。毎日1杯か2杯は必ず飲むようにしています」

別のアトピー性皮膚炎の女性(当時44歳)の証言。

「アトピーでステロイドを使っていたら皮膚炎になってしまい、堂園先生から脱ステロイド(療法)と一緒に野菜スープをすすめられました。飲み始めてからまだ2カ月なのに、皮膚がきれいになったので私自身も驚いています。実は血圧も高くて、お薬を飲んでも130台だったのが、今は120台に下がりました。お通じもよくなりました。割とぽっちゃり体型ですが、体重は、野菜スープを飲み始めてから5キロも減りました。砂糖や油を摂らないようにしましたので、野菜スープだけの効果ではないと思いますが……」

腸内環境が変わり始めたのだろう。二人は無理なくダイエットができると喜んでいた。余談だが、善玉菌を増やすには、漬け物や納豆、チーズ、キムチといった発酵食品や、善玉菌のご飯になる食物繊維(多糖類)を食べるのが効果的だといわれる。病気にならないためには、サプリよりもやはり食事なのだ。